実は、最近志摩くんと香ちゃんに内緒にしてることがある。
 まぁ・・・実際はそんなに問題じゃないんだけど、私的には言いたくない。
 てなわけで、莉璃と飛鳥の全面協力の下、ソレは実行されていた。
 ・・・てゆーか、コレって莉璃のためじゃない?
 飛鳥が大々的にするから、学校のみんなは知ってるんだけど…なんか、二人には知られたくない。

 それは・・・お昼になれば分かるのだった。






ニュースステーションの女子アナって・・・






「さ、ちゃん行きますよー」
「・・・ねぇ、いつ終わるの・・・?」
 今日も嫌なところへ向かいながら、は呟く。
 前には手を引いている楽しそうな莉璃と、新聞部専用カメラを持って付いてくる飛鳥が。
「卒業しても、するんじゃない?」
 莉璃は面白そうに言うが、にとっては面白くもなんとも無い。
「莉璃ぃ・・・もう見逃してよぉ・・・」
「ダメ。あんたかなり人気があるから、視聴者が楽しみにしてるんだもん」
「視聴者って・・・」脱力視ながらは呟く。「クラス中がいつも見てるじゃない・・・」

 しかし、そこで飛鳥の口が入る。
「おぉっと!私のことを忘れるなー!」
 と莉璃は飛鳥のほうを見る。
「・・・なに?」
が女子アナになって人気になると、うちの新聞も好評になるのよ」
「そんなの知らないわよ・・・」

 すると、ピタッと莉璃が止まりのほうに振り返る。
 笑顔だが、目が明らかに笑っていない。
 途端、の血の気が引いていく。

「何でも屋として協力するんじゃなかった?」
「いや・・・でもコレは永倉屋の・・・」
「なんか文句あるわけ?永倉屋さん」
「・・・いえ・・・・・・」

 はぁ・・・とため息を付きながら、莉璃に引かれて向かう。
 向かうのは、報道ルーム。
 報道部の本拠地ともいえる場所だ。

 一週間前から、は学校の昼休みに流れる「ニュースステーション」という番組に出演していた。
 女子アナのように、校内ニュースの原稿を読んで意見をすれば良いだけなのだが、
 ただでさえのファンは多いらしく、コレがきっかけでファンクラブなど、本人にとっていらないものまで出来始めている。
 しかし、自ら決行を拒否することが出来ないのは、自分が良く分かっていた。
 実はアナウンサー役の部員が退部し、困り果てていたのだ。
 そして、その役をしてくれるよう頼んできたのは莉璃だ。
 しかも、流石彼女。結構頭良いだけあって、手が込んでいた。
 に頼むんじゃない。
「永倉屋」に依頼として頼んでいたのだ。
 ちなみに、依頼料は部費から出すことになっていた。
 も、依頼・・・まして、友達の頼みだ。
 断ることが出来なかった・・・

 ・・・が。

「なんでずっとしなきゃだめなの・・・」
 はスーツに着替えられ、スタジオにある椅子に座っていた。
 隣には先生が並び、変な援助交際カップルのようにも見える。
 それが莉璃の魂胆らしいが、彼女の心情はもはや分からない。

「それじゃ、もの者宜しければ参りまーす!」
 莉璃の声で、収録は始まった。
 飛鳥はカメラを抱え、次々とシャッターを切っていく。
 このスタジオがもっと暗かったらよかったのに。
 そうすれば飛鳥はフラッシュをつけないといけなくなって、莉璃につまみ出されるのになー・・・

「では、本番行きまーす!」
 の掛け声が聞こえる。
 仕事なんだから、きちんとしなきゃ。
 残り2秒前で、はいつもの「永倉屋」のような真剣な顔に変わった。


 それから15分間の悪夢は終わり、やっと本日の仕事を終えることが出来た。
 莉璃は嬉しそうにの元に駆け寄り、両手を握って振り回した。

「良かった!良かったよー!!」
「はは・・・ありがとうね・・・」
 は引きつった笑顔で返した。
 しかし、莉璃には聞いてないようだ。

!明日のトップ記事に乗るの間違い無しよっ!」
「へぇっ!?なんで!?」
 写真を取り捲り、カメラをしまう飛鳥は即答した。
「だって、あんたがトップ記事だと受けるんだもん」
「・・・キミたち、本当に友達なワケ・・・?」
「「もちろんでしょ?」」
 二人の笑顔がには恐ろしいものだった。




 志摩と香に、秘密にしていることがある。
 それは、校内のアナウンサーをしていることだ。
 知られると、恥ずかしい。

 は絶対秘密を守ろうと、固く誓った。