特に好き嫌いはなかったんだ。
 ・・・このときまではね。





Bitter






 コムイさんから貰った、“特製ジュース”。
 凄く訝しんでたんだけど、貰わない限り煩く言われそうだから一応貰ってみた。
 そして持ったままアレンの部屋に向かったわけ。
 だって本当に大丈夫か、怖いじゃない?
 何かあったとき、アレンに証言してもらおうと思ってね♪

「アレンー!私、
 大丈夫?と訊くと、はい、どうぞ。と言う声が聞こえた。
 ガチャッと開けると、アレンは椅子を片付けてる。

「あ、鍛錬中だった?」
「いえ、気にしないで下さい。」

 アレンの微笑を見てたら、私まで顔が緩んじゃう。
「ありがとね♪」
 一応言いたくなってしまった。


「で、どうしたんです?」
 アレンの笑顔はきょとんとした表情に変わった。
 あ、そうだった。
 私は早速ジュースを見せた。

「・・・う〜ん・・・危ないんじゃないかな?」
「やっぱ!?どうしよう・・・」
 でも、飲まないとコムイさんがしつこく「どうだった?」って訊きそうだし。

「アレン、私飲んでみる!!」
「えぇっ!!大丈夫ですか!!」
「・・・頑張る」

 ごくっと生唾を飲んでしまった。


 緑色をしてる変わったジュースは、恐ろしいほど勇気がいる。
 でも、いつまでも持ってる事は出来ない。
 飲んで何かあったらアレンに承認になってもらう!!

 私はジュースをグイッと一気飲みした。
 ごくっ、ごくっ、と飲んでる音を聴いてアレンはとても不安そう。


「・・・・・・・・・・・・」

 全部飲み終え、アレンに目を向ける。

「ど、どうでした・・・?」



「・・・にぎゃい・・・」
「“にぎゃい?”」

 呂律が回ってそうでそうでない。
 アレンは私の言葉から、“苦い”と連想したみたい。

「苦かったんですか?」
「ぅえぇ〜・・・」
 めちゃくちゃ美味しくない・・・
 飲んでるときも苦さは来るし、飲んだ後のあと残りがまた苦さをそそる。

 苦いのなんて大嫌い・・・コムイさんのバカっ!!!!

「アレン・・・おみじゅ(お水)・・・・・・」
「み、水ですね!!」
 急いで取ってきてくれる辺り、心配してるみたい。

「はい。」
「ありはと(ありがと)・・・」

 あんまり口を動かしたくない私は、ヘンな言葉になっていた。
 だって苦味が広がるんだもん・・・しかたない!!

 思いっきりお水で苦味を流し込み、ようやくちゃんと話せるようになった。
 だけど苦さは取れない・・・


「アレン・・そうだ、アレンが飲めば良かったのに・・・」
「えぇっ!?ってそんなキャラでしたっけ!?」
 どうやらその苦さで己のキャラをも忘れてしまったみたい。


 後にコムイさんから訊くと、あれは
“マッチャ”っていう神田の故郷のお茶なんだって。

 あんな苦いのばっか飲んでるなんて・・・そりゃ神田も怖い人になるわよ!!!