「ねーねー神楽ちゃん!!」
『?』を浮かべた神楽の元に、笑顔で声をかけた。





はじめてのチャイナさん





「いや〜今日はなんか視界が違って見えるね〜♪」

「俺は視界よりものほうが違って見えるが?」
「なにそれ。嫌味のつもりなら止めといたほーがいいよ」
「嫌味じゃなくて、本気のつもりだ。つかいつだって本気だ。つか本気だ、本気で」
『本気』を何回言ってるわけ?この天然パーマ」
「なんだとコラ、この
似非チャイナが」

 以上の会話は全て万事屋の家で行われたもの。
 私と銀ちゃんでお送りしました・・・ん?神楽ちゃんじゃないかって?
 今日は違うのよね〜♪

 実は、さっき神楽ちゃんの元に行った私は次のことをお願いしてみた。
「お願い!チャイナ服着させて〜!!」
「チャイナ服ぅ?なんでアル?」
「1回着てみたかったの!!」

 神楽ちゃんは自分の服装と私の服装を見た。

 彼女の服は紅いチャイナ服、下は白のズボンを履いてる。
 私の方は白い着物。紅い花柄が裾下に付いてて、広がってスカートのようになっている。

「じゃあ、私はの服が着たい!!」
「交渉成立ね。お互い着替えてみよ〜♪」
「おうよ〜!!」


「・・・なぁ新八、女って何であーやって着てるものを交換とか出来るんだ?」
 傍で見ていた銀ちゃんは、新八くんに見解を求めてみた。
「うーん・・・やっぱり女の子だからじゃないですか?」
「そーか?俺ならお前の着てた服はおろか、
お前の履いてたパンツさえイヤだぞ
僕もイヤです!!!!つか、そこまで考えるなんて馬鹿だ、お前馬鹿だ!!!」
「アイツらも馬鹿だな〜、
フッ
「鼻で笑ってるようですが、銀さんの考えは、彼女達とは天と地の差がありますから

 銀ちゃんと新八くんが煩い・・・なに怒鳴ってんだか二人とも。
(正確には新八くんだけだけど)



 こうして、神楽ちゃんが私の着ていた着物を。
 そして、私が神楽ちゃんの着ていたチャイナ服を着て、銀ちゃんたちの前に出てきた。

「・・・・・・」
「・・・・・・」

「あれ?二人とも何か反応してよ」
「どうした?石みたいになってるヨ」
 神楽ちゃん、髪の毛さえ和風にすれば似合うじゃない!!

、髪を二つに纏めれば似合うネ!!」
「ほんと!?神楽ちゃんも和風にしたら似合うよ♪」


「・・・女ってなんで褒めあうんだ?つか、
お世辞だろどう考えても」
「・・・僕、買い物に行って来ます
「あぁテメェ!!逃げやがったな!!」

 銀ちゃん・・・聴こえてます。
 後で新八くんには『新技:ヒヨクビ』をプレゼントしちゃおう!

「私も行くアル!!」
「ぅえぇ゛!?神楽ちゃん・・・その格好で行くの?」
「この格好だから行くアルよ。文句あるか?」
ガシャコン!
「・・・いいえ」

 項垂れた新八くんと私の服を着た神楽ちゃんはそれぞれ
思想の相違を感じながらも家を出て行った。



「・・・さて」
 残されたのは銀ちゃんと神楽ちゃんコスチューム着用中の私。
「で、どうなのよ?感想を言って」
「感想ってもなぁ・・・とりあえずこっち座れって」

 ちょこんと座ったときに、前の方の会話をしたわけです。

 似非チャイナって・・・なんか悲しくなるなぁ。

「でも、私は可愛いと思ったんだけどなぁ」
「いや〜そもそも神楽の服をチョイスするほうがおかしいぞ」
「なんで?」
「神楽はガキだ」
 断言されても・・・とりあえず、笑っておいたけど。
「じゃあ誰のだといいわけ?」
「そうだな・・・」

 銀ちゃんが珍しく真剣に考えてる。あ、ありえないって!!

「ビキニとか?」

 ・・・やっぱありえない。

「着るかバカッ!!!」
「あだっ」
 銀ちゃんの頭を平手で叩くと、パシンッといい音が広がった。


「なんだよ、人がせっかく意見を出してやったのに。」
「誰が今の時期にビキニなんて着てんだよ・・・」
 コイツに期待した私が馬鹿だった。


「で、ちゃんさァ、」
「ん?」

 さり気なく肩に手を回して、なんか不敵な微笑をしてる・・・。
 これは、よく甘いものをねだるときに見せる顔だ?


「下着の取替えっこもやったんだろ??見せてみろよ」
「はぁ??銀ちゃんと新八くんじゃあるまいし」
ちょっおまっ!!俺と新八がやってたら気持ちわりィだろ!?」
「うん。気持ち悪い」

 でも、そんな話をしてなかったかなぁさっき??
 本当にやってたら、確かに気持ち悪いわ。

「でもなんで私たちがやってんのよ!!そんなわけあるか!!」
 思わず肩にあった手を解いた。すると銀ちゃんは吃驚した顔で、
「えぇっ!?しねぇの!?」
「だからあんたはするわけ?!」

 銀ちゃんは意外そうな顔で言ってのけた。
「女ってみんなやるんじゃねぇのか!?」


 ・・・馬鹿かコイツは。


「最低。エロいし」
「エロは男の美学だぞ?」
「そんな美学があってたまるか!!」

 銀ちゃんは一息置いて、再び首に手を回した。
「じゃあ、今つけてる下着を「あんた1回マジで上げるよ?」

 ビッと親指を立てる。


 昇天したかったのね。それなら早く言ってくれればよかったのに。


 数分後、私は銀ちゃんのお望みどおりに天に上げてあげることにしたのだった。