珍しく、公園には土方さんと総悟くん、そして4つ分のミントンを持った山崎くんが居た。
 その3人に私は呼ばれたわけで・・・

 まさか2転
3転してあーなるなんて思っても見なかった。





チキチキ!!





「あっ、さん来ましたね!」
 山崎くんの声で土方さんと総悟くんも振り返る。
、呼び出してすまなかったな」
「いえ・・・で、何のようなんですか?」
「ミントン大会するんでさァ!」
「ハァッ?!そんなこと聞いてねぇぞ!?」


 土方さん・・・でも、総悟くんも山崎くんもミントンラケット持ってますよ


「知らないんですかィ?」
「見廻りついでにを誘って屯所に行くって言ってたのはオメェだろ!?」
「そんな冗談信じてたんですか?」
なっ!!テメェ山崎ィィィィ!!!!!死の覚悟をしてこいやァァアァァァ!!!
「ギャアアァァァ!!!!!」





 ・・・あ。
 山崎くん死にそうだけど、
死の覚悟は出来たかな。(ぇ)





「・・・そういえば、近藤さんは??」
 近くで楽しそうに光景を見ていた総悟くんは、私の方を向いて微笑んだ。
「近藤さんは見回りでさァ・・・
一人で
「えぇ?一人で?なんでまた?」
「大丈夫ですぜ。お妙さんが通っただけで引き受けてくれやしたから」
「あぁなるほどね」

 納得したそのとき、ようやく土方さんは納得したようで・・・ボロボロの山崎くんを引きずって持ってきた。


「じゃあやろっか!!」






 公園で、私たちはやっとミントン大会を開始した。



「土方さん、後ろは任せましたよ!」
「おゥ。も前落とすなよ」
「はいっ!!」


 第一戦・私と土方さんのコンビ VS 総悟くんと山崎くん。
 ・・・私も頑張ったけど、さすが山崎君。強いなぁ・・・
 総悟くんの
腹黒さもあり・・・勝ったのは向こうのペア。



「ん〜、やっぱ強いですねぇ。」
「・・・いや、なぜ俺が、こんなに、バテてんだ、よ!!」

 実は私のほうじゃなくて、土方さんの担当である後ろにばっか行ったから私は
全然打ってない
 ・・・逆に土方さんはバテるくらい走りまくったのだった。

ですぜ」
総悟ォォォ!!!テメェの、腹黒さが、祟ってんだよ!!!!
「人の所為にするなんて。俺はたまたま遠くにばっかり飛んでいっただけなんでィ」(ニヤリ)
「オイコラァァァァ!!ニヤリって笑ったろテメェェェ!!!」
「土方さん、これ以上叫ぶとバテますよ」
「もうバテてんだよ!!!!」

 ほら、言った通り。
 土方さんはそういうと、
バタッと倒れこんだ。

 土方さんをベンチで休め、その間に私たちは第2戦に入る。

「「「じゃーんけーんポン!!!!」」」
 こうしてメンバーが決まった。





「・・・僕一人ですか?」
「うん。土方さんはダウンしてるしね」
「呪うんなら土方さんを呪うんだなィ」
「いや総悟くん・・・それも酷いよーな・・・」

 第2戦は土方さんが減った分、1対2になった。
 そんでもって山崎君一人 VS 私と総悟くん。



さんは後ろで待機してくだせィ。女性にあんまり無理はさせませんさァ」
 おぉー総悟くん優しいのね。
 土方さんのときとは全然違う・・・これだから紳士っていいのよね(ぇ)
「うん、ありがとう!!」
「どういたしまして」

 微笑んだ総悟くんは、前を見た。


 ・・・ん?総悟くんを見た山崎くんは
怯えてる
 なんだろうねー。ま、いっか!(私はそんなやつ)


 この勝敗は・・・付かなかった。
 私たちが
圧倒的に勝ってたけど、そんな時試合は中断されたのだった。


「オォォちゃんじゃないか!!!!!!」
「えっ!?」
 途端、ギュ〜〜〜〜ッと抱き締められ、身動きが取れなくなった私は上を見る。
「・・・近藤さん。見廻りは終わったんですか?」
ちゃんのためなら見廻りなんてちょちょいのちょいさ!!!」
「いや・・・なんですかそれ。つか、お妙さんラブでしょ?」
ちゃんも
ラブさ!!!」
「はぁあ?」


 下から見てた近藤さんの額に、思いっきり
ミントンラケットがぶつかった



「いっ゛・・・」
 痛そうだったあまり、私は思わず声をだした・・・といっても、ぶつかった後のミントンが頭の上にぶつかったのもあるけど。
さん大丈夫でしたかィ!?」
 投げたのは総悟くんらしく、予想外のことに慌てて私の頭を撫でる。
「うん・・・でも近藤さんは・・・」
あの人はいいんでさァ・・・そうだ」

 総悟くんは何か思いついたようで、土方さんを呼びに行った。

 う〜ん・・なにするんだろう?
 とりあえず山崎君もこっちに来たし、近藤さんの目を覚まさせよっか。
 案の定、ちょっと揺すっただけで近藤さんはすぐに起きた。



 また丁度いいところに総悟くんは土方さんを連れてくる。
 大分バテは取れたみたい。

 総悟くんは私の手を取り、そして上に上げた。

「勝負しやしょう!!」
「「「「は??」」」」

 隣の私を含め、それぞれが打ち合わせでもしたように声を合わせた。

「名付けて・・・
チキチキ!!さん争奪ミントン大会ィィィィィ!!!!!!!!!
「チキチキってなんだ総悟!?!??」
「つか、オメェそんなことにばっか頭働かせてんじゃねェェェ!!!」
「ミントンですか!?それなら負けません!!!」
「いやいや、私争奪ってなんなわけ!???!!!」

 混乱が混乱を生んだ
「チキチキ争奪戦」。(省略してみました)
 総悟くんの説明によれば、トーナメントをして優勝した人には私がなにか一つしてあげようという権利を得るらしい。
 ん〜・・・私は戦いに参加しないのね。
 じゃーいっか♪(実は疲れていた)



 こうして、火花が散る中・・・争奪戦は始まった。・・・大袈裟だなぁ。



「ふー疲れた・・・」
 さっきまで土方さんが休んでたベンチに横になり、ミントン状況をチェックしよーっと・・・あれ?

さん、終わりやした。
「へ?もう!?」

 待って・・・
いくらなんでも速過ぎじゃない!!!???


「俺の不戦勝でさァ」
「へっ?不戦勝!?」

 さっきまでいた場所を見ると、みんなが倒れてる・・・。

「昼に食べた
うな重が当たったみたいですぜ」
「え?大丈夫かなぁ?」
「まぁまぁ、どうにでもなりまさァ」

 私は知らない・・・総悟くんはミントンラケットでみんなに
鳩尾を食らわせていたことを。
 チキチキ争奪戦は、ミントン勝負じゃなくてミントンラケットで格闘勝負のことだったのだろうか・・・。


「で、総悟くんは私に何をして欲しかったの?」
 彼が主催なんだから、何かあるんでしょ?
 すると、一瞬宙に浮いて私は総悟くんの顔の近くに。


 ・・・あれ??


「姫さん抱っこがしたかったんで、さんは何もしなくて良いんですぜ」
「あ・・・そうなの?」


 うわー初めてされた、お姫さま抱っこ。
 重くないかなー・・・恥ずかしい!!!


「さァ、このまま屯所までいきやしょう」
「えぇっ・・・でも、近藤さんと土方さんと山崎くんは大丈夫なの!?」
「あのままの方があの人たちのためですぜィ」
「・・・・あぁ、そっか」


 こうして納得しちゃった私は、総悟くんに抱きかかえられて屯所まで一緒したのでした・・・

 そのあと、
夜中まで3人は帰ってこなかったけど、大丈夫だったのかなぁ?