「銀ちゃん銀ちゃん!!」
 私は銀色のものを持ってソファに向かった。
「ポンポンパーティしよーよ!!!」





ポンポンポップコーン






「あ゛〜〜〜・・・?」
 ソファで寝てたみたいで、銀ちゃんは寝転がったまま私のほうを見た。

「ねぇ〜しようよっ!!」
 ジャラジャラと持ってる物を揺らしてみた。
 その音が気になったのか、銀ちゃんはのっそり身体を起こす。
「なんだ?それ・・・」
 眠そうだけど、興味を示したみたい。
 私は嬉しそうにジャラジャラ揺らして、答えた。

「担当さんから貰った!ポンポンパーティっていうんだって!!」

 上の蓋に書かれているのはポップコーン。
 これを正しい作り方で作ったらポップコーンが出来るんだわ。

「ねぇ、やろう!」
 改めて言うと、銀ちゃんも完全に目を覚ましたみたい。
「んじゃ、やるか」
「やたっ♪」
 ゆっくり立ち上がる銀ちゃんを急かしながら台所へ急いだ。


「・・・で、作り方は知ってんのか?」
「うん!担当さんに聞いてきたっ!!」
 ガスコンロに火をつけ、弱火にした。

「まず、これをすれすれまで浮かせて・・・ゆっくり揺らす」
 ジャラ、ジャラ、とゆっくり混ざる音が聴こえてきた。


 ・・・5分経過。
「なぁ、まだか?」
「まだよ!この過程を楽しまなくちゃ・・・おっ!!」
 ポン、と一つ音が聴こえた。
「きたきたきた〜〜〜〜!!!」
「おぉっ!!!」
 銀ちゃんも目を丸くしてポンポンパーティを見つめた。

 
ポン、ポンポン、ポンポンポンポンッ、と立て続けに音が聴こえてきた。
 揺らすたびにポンポン鳴ってとても楽しい〜〜〜っ♪
 思わずぴょんぴょん飛び跳ねてしまった!!それほど楽しいんだもん!!!

「オイ!!俺にもさせてくれ!!」
「うん!はい♪」
 ポンポンパーティを渡し、今度は銀ちゃんが揺らす。
「すっげぇなぁ〜これ!!」
 ポンポンと鳴り続き、やがて聴こえなくなった。

「・・・出来たのかな?」
 
ポポン!!と大きな音以来、ポンポン音は鳴らなくなった。
「見てみるか?」
「見てみよう!」

 目を見合わせた私たちは、そーっと銀紙をはさみで開けていった・・・

「「・・・・・・・・・・・・え」」

 あまりの光景に、私たちは我が目を疑った。


「・・・・・・オイ、焦げてるぞ」
「・・・うん、しかもかなりね・・・」

 ポンポンと言ってた銀紙の中身は、既にポップコーンは完成していた。
 寧ろ完成していたのに熱しすぎて真っ黒焦げになっていた。

 せっかく貰ったのに・・・何処も、食べられない。



「・・・ぎ、銀ちゃんのバカー!!!」
「いや、オレじゃない。が可愛い目で見つめたから、参ったんだ」
「バカじゃないの!?」
「バカって言った方がバカなんだぞー」
「バーカバーカ!!!!」
「テメェまだ言うかァァァァァッッッ!!!!!」


 ぎゃあぎゃあ言いあって、小1時間。


「・・・このまま言いあってても、ラチあかない・・・」
「オレが下手に出てるうちに謝っておけばよかったものの・・・」

 私は置き去りにされたポンポンパーティを見た。
 あぁ、可哀想。

「・・・銀ちゃん、ポンポンパーティのために、仲直りしましょう。」
「・・・良い案だな、ソレは。」
 なんだかんだ言って銀ちゃんも疲れ果ててたみたい。

 私たちはお互いに握手を交わし、共にポンポンパーティをゴミ箱に葬ってやった。



 
あ゛〜〜〜今日も頑張ったぁっ!!!!(ぇ)