「なんだァ??ココ」
いつもの屯所だけど、何処か違う・・・と、土方は辺りを見回した。
何でだ??
その質問はすぐ解消した。
「」
呼ばれた少女は振り返り、笑顔で答えた。
「あっ、土方さんだぁ!!」
にゃあっ!て効果音が聞こえる・・・ん?効果音??
「ってオイ!!!お前ホントになのかァァァ!?」
「何言ってるんですか?私に決まってんじゃないですかぁ〜」
の格好がまた可笑しい。
なぜか黒いネコ耳が生えていて、短い着物の裾からは同色のしっぽが覗いている。
「・・・とりあえず部屋に来い!!」
「にゃぁ?」
「いいから!!」
グイッと手を引っ張り、土方が向かった先は自分の部屋。
「ちょっ、痛いっ!」
「あ、あァ悪い。」
パッと離すと、は腕を擦っていたが・・・・・・
「お布団だぁ〜〜〜!!」
と笑顔に早変わりして土方が寝るはずの布団にダイブしていった。
「・・・・・・」
ハァ〜、なんでアイツネコ化してんだぁ??
「オイ、落ち着いて聴け」
ゴロゴロと喉を鳴らして、は本当にネコのようだ。
「んにゃあ?」
「お前、ネコの耳としっぽが生えてるぞ?」
・・・ひと時の間・・・
は自分の耳を触って、次にしっぽを触った。
「ホントだぁ〜!土方さんどぉ〜?」
「どぉじゃねぇだろォォォ!!!お前目を覚ませって!!」
腕を持ってこっちを向かすと、途端にがダイブしてくる。
「ぉわっ!!」
オイオイこんな積極的な初めてだぞ!?・・・いや、何考えてんだ俺は・・・
なんていろんな思考を抱えたまま、に倒される。
「土方さぁ〜ん・・・」
ギューッと抱き締められ、布団ということもあり。
「・・・誘ってんのか?」
「えへへ〜〜」
しっぽを振りながら、はネコのように頬を摺り寄せる。
「・・・くそっ、なんでこんなでも嬉しがってんだ」
彼女に対して少なからず恋愛感情を持ってた土方は、困った顔をして髪を掻き揚げた。
「ふやぁう〜・・・」
珍しく甘えんぼで、ありえないネコ耳が生えていたは土方の胸の中で眠りに落ちた。
所変わってココは屯所の台所。
「さん、なんでココに居るんですかィ?」
たまたま水を飲みにきた沖田は唖然として少女を見た。
彼女の耳からは黒いネコ耳が出てて、短い着物の裾から同色のしっぽが覗いている。
「あーっ!総悟くんにゃ〜!!」
「にゃ?」
ギュッと抱き締められた沖田は近くにあるネコ耳を触ってみた。
フワフワしてて、触るたびにが身じろぐ。
「この耳はどうしたんですかィ?」
「ん〜?わかんな〜い」
ゴロゴロと喉を鳴らす辺り、が本当にネコのようだ。
「総悟くん、部屋行こ!」
「・・・そうですねぇ。じゃあ水だけ持っていきましょうや」
沖田は水を注いで、の手を繋いだまま部屋に戻っていった。
「じゃあさんの布団を用意しまさァ」
水を飲み干し、取りに行こうとした沖田の腕を掴んだのはだった。
「いいの。総悟くんと寝るの〜〜」
「・・・襲われても知りませんぜィ」
「あいっ!」
言動全てネコのようだ。
沖田は少し考えたが、掴まれた腕を掴み返して抱き寄せた。
「さんの了承は得ましたからねィ」
「は〜い!」
先に布団にダイブしたのはだった。
「きゃ〜ふわふわだぁ!」
「さんの耳の方がふわふわでさァ」
「ふにゃっ?」
そんなの上に金の髪を揺らして乗ったのは沖田。
耳を触るたびにがトロ〜ンとした目をする。
沖田はそんな目を見てたいのか、やめる気配は無い。
「・・・さん、しっぽも生えてますねィ」
「ふやぁ〜〜・・・」
「どう生えてるんですかィ?」
の答えは無かった。
耳が気持ちよかったのか、寝入ってしまった。
「・・・そりゃねーや」
苦笑して、気持ちよさげに寝ているに優しく口付けた。
「愛しいさんをやっと抱けると思ったのになィ」
所変わってココは『万事屋銀ちゃん』。
銀時が夜更かししてテレビを観ていたときだった。
「銀ちゃ〜ん!」
「あ?おわっ!!」
後ろから抱きつかれ、銀時は思わずソファから床に落ちるところだった。
「なんだぁ?ってじゃねーか」
「にゃあ〜〜・・・」
ゴロゴロと喉を鳴らしながら、頬を摺り寄せるはまるでネコだ。
「どーしたァ?眠れねェのか?」
「ん〜・・・」
・・・ん?
よく見ると、の耳から黒色のネコ耳が生えていて、短い着物の裾からは同色のしっぽが。
「、お前ネコのコスプレが好きなのか?」
「何言ってんの〜?」
なんて言いながらも、ぎゅうっと抱き締めるが愛らしい。
「ねぇ和室に行こうよぉ〜」
「はぁ?・・・仕方ねぇなぁ、銀さんが運んでやるか」
珍しく甘えてくるを抱き上げ、テレビを切った銀時は和室に移動した。
「、俺の布団出すから離れろや」
手を離してもはブラーンと銀時の首にぶら下がっている。
「銀ちゃんと寝るから一つでいいにゃ〜・・・」
「何言ってんのお前」
とかいいつつも、を離そうとしない。
「にゃっ!」
彼女自身の力が尽きたのか、急にぶら下がってる腕が外れて布団に落ちた。
「いったぁ〜」
「大丈夫か?ったく。じゃあ頂きます」
「ふにゃっ?」
覆いかぶさって・・・ふと思った銀時は、の足を見た。
「ひゃっ!」
足の間にあったしっぽを掴んで、ふわふわの毛を触るとは過剰に反応した。
「お前これ本格的だなァ」
「にゃあっ・・・触っちゃや〜!!」
「オゥオゥ珍しく素直なチャン可愛いねェ〜」
なんて、何処かのお代官のような台詞を吐きながら、尚も触る。
うとうとしてたのか、しばらくしっぽを触ってると寝息が聞こえ出した。
「・・・銀さん拗ねちゃうぞー?」
とか言いつつも、彼女の髪を撫でてやった。
「あーもうこのままヤッちゃおーかな・・・」
次の日のを想像して止めたみたいだが。
翌日・・・。
普通に起きて、普通に朝ご飯の準備をして普通に神楽を起こしたは、
「銀ちゃん起きてー!!」
と、ぐっすり寝ている銀時も起こした。
「ん〜??オォじゃねぇか・・・」
と言いながら、銀時はの耳を触る。
しかしやはり彼女は普通の人間の耳をしていた。
「何寝ぼけてんの?ホラ起きて!」
「・・・あれ?ネコ耳じゃねェのか?」
「はぁ?なんで?」
さっきとは明らかに違う態度に銀時は戸惑いつつも、手を伸ばした。
「っひゃああぁぁぁっ!!!!!!」
「どうしたネ!!!!」
悲鳴が叫び、神楽がやってきた。
「銀ちゃんの変態ー!!!おしり触ったでしょー!!!!」
彼女が見た先には・・・扇子で銀時を殴り飛ばしてるの姿だった。
銀時が確認したのはしっぽなのだが・・・そんなことを知らないは変態だと思うだろう。
このあとは、土方と沖田に会うたびに『ネコ耳チェック』をされてたりして・・・。