あのー・・・扇子娘って“センス”いい?・・・ぅわサブッ!!!!
とりわけアイドルなどを知っているわけもない。
しかし、何故か目の前にはあの新人アイドル『寺門 通』が。
「・・・あのー・・・なんでしょう・・・・?」
希望の星だと目で言われているようにお通に見られているは、苦しくなって呟いた。
数分前・・・此処で、変なナンパ騒動があった。
一人の女の子相手に、4人の男が寄ってたかっていた。
「んー?なになにみんな集まって??」
その周りを満ち行く人々が集まっていた・・・そのなかに、の姿もあった。
「あのっ、止めてください!じゃないとオンチで歌いますよ!?」
「いいねェ〜、お通ちゃんのオンチ♪」
「お通ちゃんがきてくれればそれでいいんだよ?」
そんな会話が聞こえる。
男達はお通の言葉に怯むことはないようだ。
「また可哀想な娘がいるなぁ〜」
なんて思いながらも、後ろに背負っている扇子を降ろした。
誰も助けてくれないのか・・・とお通が振り向いたそこに、が微笑んでいた。
「ど〜も♪」
「んだぁ??」
「邪魔すんじゃねェよ!!なんならお前も絡んだろうかァ!?」
一斉に男4人は振り返る。
「ん?お前結構可愛いな〜」
「ばっかお前あんなのがタイプかよー」
・・・失礼な!と思っただが、笑顔は崩れない。
「その子は嫌がってるようだけど?力ずくは嫌なんだけどな〜」
平和が一番!とでも言いたげなには、やはり4人の男達から野次が飛ぶ。
はぁ〜・・・はため息を付いて、バッと扇子を広げる。
「私戦うの嫌いなのに・・・」
ダルそうに、その扇子を向かってくる4人に向かって一振りした。
「大丈夫だった〜?」
人だかりから拍手が聞こえ、呆然としている女の子に声を掛ける。
の足元には、必殺『カマイタチ』で切り刻まれてる男達が。
「オイオイ嬢ちゃん、コレはあんまりじゃねぇの?」
その場に居る親父が笑いながら指をさす。
カマイタチに刻まれている銀時たちには手加減をしていたが、男達には容赦ない。
血だらけで倒れていた。
「大丈夫ですよー。正当防衛です!」
「正当防衛効かないって!!やられてねーじゃん!!!!」
「総悟くんに頼んでみよー」
「うわっ!!コネでどうにかしようとしてるよ!!!!」
「ま、それはおいといて・・・」
はもう一度女の子の方を向いた。
「女の子に手を出す輩は成敗するにこしたことはない!!」
それから数分経つ。
人々は立ち去り、男たちが倒れているだけだ。
女の子にはジーッと見られ、は息が詰まりそうだ。
やがて少女は口を開いた。
「ひょっとして、 さん!?」
「へ?どうして知ってるの??」
初めて会ったと思うが、少女は名前を知っていた。
「え・・・もしかして、私のファン?いや〜もう困っちゃうなァ〜〜」
「いや、違います。」
「即答ですか・・・」
涙が出そうになるが、は続けた。
「で、どうして知ってるの?私会った事あったっけ?」
実際ならめちゃくちゃ失礼なことを聞いているのだが、女の子は答えてくれた。
「隊長から聞いたことあります!扇子娘って!!」
「・・・扇子娘ぇ?なにその変なねーみんぐせんす!!」
「隊長が付けてましたよ?」
「・・・・・・・・失礼だけど、隊長って誰??」
「志村新輔さんです。」
「新輔って誰?!??!私知らないし・・・」
そこで、はたと止まる。
志村・・・新輔・・・
「それってもしかして志村新八くん?」
「あっ、そういえばそんな名前だったよーな・・・」
あんのメガネぇぇ〜〜!!!!変なねーみんぐせんす付けおって・・・・!!!!
「オイ」
「じゃあもしかしてお通ちゃん!?うわ〜始めてアイドルさんに会った〜!!」
「・・・オイ」
「さんこそ、有難うございました」
「・・・オイコラ」
「この扇子と髪の毛で解ったのかなぁ」
「・・・テメェらワザとかよ」
「髪の毛??あぁ、紅いメッシュですね!!」
「いい加減気付けやァァァアァァ!!!!!」
大声にビクッと肩を震わせ、とお通は振り向いた。
「あ〜なんだ土方さんか・・・邪魔しないで下さい」
「邪魔するも何もお前がやったんだろォがァ!!」
真選組の土方が目の前にいる。
そして指を指した方向は、未だに寝そべっている男達が。
「正当防衛ですってば。つか、総悟くんは?」
「総悟ォ?アイツは巡回中だ。俺もなんだけどな」
「えぇ〜総悟くんいないんですかぁ?つまんないの」
「俺じゃダメなのかよ!!」
「ダメー」
「んだとコラァァァァ!!!」
そういいつつも、に手を上げるのは土方自信が嫌なのだろう。
寝ている男の一人を蹴り上げた。
「・・・アンタ、誰?」
ふと目を上げると、睨んでいるお通が・・・
「あ、お通ちゃん。この人は真選組の副長の多串くんよ」
「誰が多串くんだ!!つかそのネタ久々だぞ!?」
「まァ冗談は置いといて・・・土方さんよ」
「ふーん、多串くんね」
「テメェ小娘!そっちじゃねぇっつってんだろうがよォオォ!!つか、いつまでひっぱんだよ!!!」
まぁまぁ落ち着いてもらおうとは背中を撫でてみる。
すると土方はなんと落ち着いた。(単純なヤツだ)
「じゃあ絡まれてたところを殺ったってことだな」
「いや、殺してないです」
「・・・殺ったんだな」
「殺してないです」「さんは助けてくれたんです」
はぁ〜〜〜〜・・・と、めんどくさそうに土方は言う。
「倒したってことだな」
「「はい」」
「どっちも一緒じゃねぇかァァァ!!!!!」
「ちゃアァァァん!!!!誰だちゃんを絡んだヤツは!!!!」(勘違い)
またしても厄介なヤツが現れた・・・
土方のわずか後方から、そんな大声を出して走ってくるヤロウが見えた。
「・・・げ」
「・・・。頼むからこの場を離れてくれねェか」
「喜んで」
はそう言うなりお通の手を引っ張って歩き始めた。
「・・・さん?」
「うん、ちょっと厄介な局長が来るから、離れよう」
「はい。でも・・・私これから収録あるんで・・・良かったらお友達になりましょう!」
「へ?」
お通は嬉しそうな表情だ。
「・・・うん!!」
も同年代の友達は居ないから嬉しい・・・首を思いっきり縦に振った。
友達って言いなぁ!!なんて思っただろう。
「ちゃん!!!大丈夫だったかァァァァァァl!!!!!」
「ぅわぁ近藤さん!!!ちゃんと最後まで変換してください!!」
余談だが、お通とはなれたはやっぱり近藤に捕まったのだった・・・
男達よりも近藤にカマイタチを使ってやりたかっただったが、コレは秘密だ・・・。