誰にでも知られたくない事が・・・え?ないなんて言うなよ〜
「オイ、俺今日は晩飯いらねぇから」
「え?」
世にも奇妙・・・いや、珍しいとばかりに、は坂田銀時を見た。
しかし、死んだ魚のような目には決意があり、それが冗談じゃないことを物語っている。
「お、もうこんな時間か」
時計に目をやるなり、銀時は愛用の木刀も持たずに出て行った。
「・・・ねぇ神楽ちゃん、今日仕事入ってないの?」
銀時が出て行ったにもかかわらず、神楽はソファで定春と遊んでいる。
そんな神楽は首を振った。
「知らないアル」
「変ね・・・なんか変よ!!」
はなぜか確信して、勢い良く立ち上がった。
「あの銀ちゃんがご飯いらないなんて・・・」
拳を二つ作ったところで、ガラガラッと誰かが入ってきた。
その人物は・・・
「銀ちゃん!?」
「・・・いえ、新八ですけど・・・」
「ちっ、メガネか」
「さん最近ボクにだけキャラ変わってません・・・?」
ご自慢のツッコミ芸人「違うだろォォッッ!!!」・・・失礼しました。
ご自慢のツッコミ担当・(永倉のようでそうじゃない)志村新八くん。(どっちも一緒じゃねぇかよ)
「で、銀さんがどうかしたんですか?」
新八は冷静を取り戻し、に尋ねてみた。
は心配そうに言う。(いや、心配というより好奇心でいっぱいだ)
「実はね、今日の晩ご飯いらないって言ったの。あの銀ちゃんがよ!?」
「・・・変ですか?」
「変よ!!!ご飯いらないなんて言う銀ちゃんなんて、私に『パパ』って言う定春の様よ!!!」
「ワケわかんねぇよ!!!!第一定春が喋るわけあるかァァ!!!」
「『ママ』って言うことは多々あるのに・・・」
「言ったんだ!!!定春喋っちゃったよ!!!!」
「・・・、まだ信じてたアルか・・・あの声私がやってたアルよ?」
「うおッ!思わぬところで犯人発見・・・って、何の話だァァァァ〜〜〜!!!!!」
新八くん、今日はしょっぱなからご苦労様です♪
冷静を再度取り戻した新八は、に再び尋ねる。
「で、何を心配してるんですか?」
は一言。
「・・・いやー、私以外に女でも出来たかと・・・」
「えっ!?さんって銀さんの彼女だったの!?」
「冗談よ、冗談!あんな天然パーマ、誰が相手にするか。ペッ」
「ひでぇよおィィ!!!タンは吐いちゃダメですッ!!!!」
しかしは新八の言葉なんて聞いてなかった。
「う〜ん・・・ま、気にすることでもないかな・・・」
今日は、コレで終わったのだ。
結局銀時は、夜遅く・・・しかもお酒臭くなって帰ってきた。
翌日、再び銀時は摩訶不思議なことを言いのけた。
「、今日も俺晩飯いらねぇ」
「え・・・別にいいけど・・・」
その翌日も
「チャン、俺今日も晩飯いいんで」
「・・・・・・はぁ?(怒)」
毎日毎日晩ご飯を拒否りやがって、はや3日。
いい加減の堪忍袋の緒が切れた。
「ねぇ銀ちゃん、毎日どうしてるの?」
「・・・あ?なんだよ」
あっ、今ギクッとしたね。
は確信を持った・・・こいつ、可笑しいと。
「だって、ここんとこ毎日晩ご飯いらないっていうじゃない。そんなに私のご飯は美味しくない?」
「そんなことないネ。のご飯は世界一アル!!あんな天然パーマ、こっちから捨てちまおうぜ」
「おい待てェェ!!捨てるって何だ!!」
「世の中のゴミを拾っても、ゴミは所詮ゴミにしかならないヨ」
「テメェ神楽ァァァ!!!立場が違うだろォがァ!!!!」
と、二人はの目の前で言いあっている。
神楽は悪気はなかったようだが、銀時はドサクサ紛れで話を変えようとしている魂胆がミエミエだ。
「・・・・ま、いっか♪」
は、一度引いてみることに。
此処で銀時はホッとしただろう・・・しかし。
小説家の執念はこんなものでは終わらなかった・・・
「とゆーわけで、やってまいりました新企画・・・」
小声ではそう言って、誰も聞いてないことに意気消沈した。
アレは数分前・・・
銀時がいつものように出かけた後、は後をつけてみることにしたのだ。
気付くかな〜なんて思っていたが、以外にも銀時は気付かない。
「あれー・・・なんか元気なさげ?」
これから行く場所がそんなに辛いのか、肩をすくめている。
やがて、銀時は一つの店に入っていった・・・イヤイヤながら。
「よーし、私も頑張って・・・はぁ??」
看板には、『かまっ娘倶楽部』なんて書いてある・・・キャバクラ?いや、前の『かまっ』てなんだ??
「・・・女性も入っていいんだよね・・・よし、頑張れ私!!」
本当は、なんだか入っちゃいけないような気がした。
未知の世界が怖く感じた。
しかしは、銀時の秘密が知りたい!!
そっと扉を引いた・・・。
「いらっしゃぁ〜いっvv」
「へっ!?」
途端、二人の女の人・・・男の人?がを迎える。
「あらっ、可愛い女の子ね〜!!」
「やっ・・・あの・・・ぇ・・・」
まさか、まさか・・・まさかっ!!!
『かまっ』て、オカマのこと!?
「どうぞ〜〜!!」
二人の女(?)の人に進められ、は中に入っていった。
「いらっしゃいvv」
と、なにやらちやほやされてたんだけど・・・目ざといは辺りを見回す。
そこで、イヤイヤやっている一人の人が居た。
隣の黒髪の人と言い合ってる・・・銀髪で天然パーマのツインテール・・・
「ぎっ、銀ちゃん!!!!!!!」
「なぁっ!?」
不意に呼ばれ、その人は振り返る。
他の人ものほうを見ていたが、本人はそれどころじゃなかった。
「・・・ッッッ!?!!?」
「な・・・んなのその格好・・・」
二人は、お互いの顔を見て固まった・・・
隣の黒髪の人は、お互いの固まった顔を見ていた。
「あらあら、アンタお嬢ちゃんと知り合いなの?」
ごつい女の人が出てくる・・・四天王の一人、マドマーゼル西郷とはこの人だ。
「ちょっ・・・妖怪は黙ってて」
はショックを隠しきれないようで、つい・・・いや、本心か?とにかく禁句を言ってしまった・・・
「「・・・あ」」
それは銀時と隣の黒髪の人はわかったみたいで、案の定・・・
「・・・誰が妖怪じゃァァァ!!!!!!」
西郷の火を引火させてしまった。
それから、は3日間・・・なぜか女なのにオカマとして働かされたという。
「・・・アレは誰にも言うなよ・・・」
銀時も同じ『禁句』を言ってたらしく、と同じ日に開放された・・・
二人の秘密は、誰にも知られることはない・・・と思っていたが、次の日にはもう有名となっていた・・・
(黒髪だったヅラがバラしやがったため)