課長ご苦労様です!!・・・あっ、バカ皇子でした♪まだいたの??
今日も天人は街を歩いている。
我が物顔で、歩いている。
そんなヤツらをよく思ってないものはたくさん居るだろう。
しかし・・・彼女の右に出るものはないはず・・・絶対!
「今日は楽しいしょっぴんぐ〜♪」
何処で覚えたのか・・・とでも言いたいような言葉を使いながら、は歩いていた。
両手には袋が二つ。
彼女によれば、この二つは着物らしい。
執筆してもらった収入で買い、それをリメイクしたものが戻ってきたのだろう。
「さてさて、この後はどうしようかな〜♪」
と、街を歩いていたが・・・その足はピタッと止まった。
「・・・・・・うっ゛・・・」
呻き声に近い声を上げ、は苦い顔をした。
目の前にはうじゃうじゃといる動物達。
いくら動物が好きなでも・・・奇妙な動物でいっぱいだ。
「なに・・・あの変なえいりあん・・・」
の目には動物ではなく地球外生命体だと捉えていた。
「余の可愛いペット達よ〜♪」
なんとも間抜けな声が聞こえる。
恐る恐る、は動物達(?)の中心に目を向けてみた。
「・・・あの・・・リストラでもされたんですか?」
「なっ!!そこの娘!!!何と言ったァァァアァ!!!!」
ダッシュでそのリストラオヤジは向かってくる。
しかし・・・何処か太りすぎではないだろうか??
「課長さんはこの子達の飼い主さんなんですか??」
「課長じゃない!!!余はれっきとした皇子だッッ!!!」
怒鳴られ、ビクッと肩を震わす。
そして、彼女の中で一つの計算が施された。
課長じゃない・・・確か、前に銀ちゃんが言ってたっけ。
『、俺なァさっき課長に会ってきたんだよ』
『へぇ〜、どんな課長さん?』
すると銀ちゃんはなにやら変な触角みたいなのを見せてくれて、
『どっかの皇子の課長。本人は係長だって言ってたけどな』
『・・・・・・皇子?』
そして、以上の会話を思い出した彼女の中で、方程式が浮かぶ。
「・・・もしかして、銀ちゃんに触覚もぎ取られた・・・あの社長さん?」
「オイィィィ!!いつの間に出世してんだよッッ!!!!」
「じゃあ出世はしたくないということで宜しいですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
一間置いて・・・。
「お前あの白髪の女か!?」
「女じゃないし!!!」
の鋭いツッコミが飛んだが、その後にも言葉は続いた。
「そうだな。アイツの女がだったら俺はマヨ断ちできるってことだ。」
「土方さんワケわからないですぜ。気の利いたことも言えないんですかィ?」
「るせェ!!考えた結果がコレなんだよ!!!」
「・・・その程度の脳なので「テメェ斬るぞコラァァアァ!!!!!」
「あやつらはなんなのだ?」
「真選組のみなさんですよ」
此処で普通に紹介できるもすごい。
「で、土方さんと総悟くんはどうしてここに居るんですか?」
は係長の隣で微笑んだ。
それになぜか頬を赤くさせ、土方は
「が居たから来てみたんだよ」
「なに赤くなってるんでィ?シャイなお方ですねィ」
「昇天してみるか??ぇえ??」
なぜこの二人は口を開けばケンカなんだろう・・・それが仲の良い証拠なんだけどね。
は苦笑しながらも思った。
「おぉ、ペス!お前はこの娘が気に入ったのか??」
後ろを向いて言った係長に、もつられて見る。
「え?っひゃあ!!!!!」
向いた先に、(気色悪い地球外生命体という言葉がぴったりな)動物がアップで見えた。
「っ気色悪ッッッ!!!!」
「何ィ!?」
係長はムカついてのほうを見たが、そこに彼女は居ない。
「・・・さん、どうしたんですかィ?」
が居たのは数メートル離れた沖田の後ろ。
制服をギュッと掴んで怯えている。
「私あーいうの嫌いッッ!!!」
「オイコラ娘ェェェ!!!余のペットになんてことを!!!!」
係長の声はとてもよく響いている。
「が嫌いだって言っちゃあしょうがねーな」
「そうですねェ、始末しちゃいやしょう」
土方・沖田はお互い笑いながら剣を取った。
係長とペス3世(今度はイカのような感じ)は、冷や汗をかいた。
「あぁぁぁぁ・・・・・・余のペスがぁぁぁぁ・・・」
再び血の雨が降り、それを浴びながら係長は嘆いた。
「、終わったぞ」
「さァ、屯所にでも来ませんかィ?」
なんて陽気なものだ。
二人はペスの血を浴び、真っ黒になってるっていうのに笑っている。
しかし、の表情はまだ強張ったままだった。
「・・・二人とも・・・近寄らないで」
「「は??」」
ワケがわからず、二人は尚も歩いてに近寄ろうとするが・・・
後ずさりながら彼女は後ろの扇子を降ろした。
二つの袋は音を立てて落ちた。
「近寄んなぁぁぁぁ!!!!!」
バッと広げ、思いっきり振り下ろした。
ビュオォォォオォォォ〜〜〜〜ッッと風が強く吹いた。
「ぅわっ!!!!」
「なんだ!??」
どうにか真選組の二人は耐えたが、止んだあとで後ろを向くと・・・そこには誰も居なかった。
振り下ろした後のは、やっと安心した顔をした。
「うん、もう大丈夫!!」
「「何が!??!!?」」
二人の問いは、屯所に帰っても解ることはなかった。
そりゃ、まさか二人のこびりついた血を取るために風を起こしたなんて・・・
土方に怒られることは目に見えていたからこそ黙っただった・・・。