「ねね、志摩くんにお願いがあるの!!」
は、彼女の家でくつろいでいた志摩に両手を合わせて頼み込んだ。
「あきらめろ、」
「やだー!」
「第一、校則違反にならないのか?」
ソファの上で転んでいた志摩は、のほうを呆れながら見ていた。
「・・・いいの!先生は私に任せて!!」
「任せるじゃなくてよ、やめとけって」
は上目遣いで、涙目にまでなっている。
・・・俺が悪いみたいじゃん。
志摩はうぅっ・・・と冷や汗が溢れ出した。
遂に、志摩が折れた。
「・・・・・・解ったよ。仕方ねェなぁ」
「ほんとっ!!ありがと〜志摩くんっ!!!」
嬉しさのあまり、は志摩に抱きつく・・・いや、ダイブする。
「うわっ、っ!!」
さすがに志摩も真っ赤になるが、は気にしていないようで
「やった〜!!ほんとありがと〜っ!!」
服を引っ張る始末だ。
「ど、退けろって!開けてやらないぞっ!!」
「退けます」
志摩の言葉が聞いたらしく、はすぐにどけた。
こうして、たっての希望により実現したのが、今日。
外では燦々と日が照っている中、二人はリビングで準備を始めた。
机の上にはペンと、ピアッサー。
「持ってきたー!」
冷凍庫から氷を詰めた袋を持ってきて、準備は終わった。
「よし、じゃあピアスを開けるぞ」
ニッと笑って志摩が手に持ったのは、ピアッサー。
そんな志摩を見たは、なぜか悪寒がした。
悪魔に見えたのは気のせいだろうか。
やがて、燦々と日が照ってる中、永倉家から少女の悲鳴が聞こえてきたのは言うまでもない。