「ちょっと待って」
仕事を終え、二人は帰路に着いていたときだ。
「なんだ?」
の呼び止める声に志摩は振り返る。
彼女の目には、コンビニが映っていた。
「買っておかなきゃ」
「?」
志摩の呼ぶ声に、は気付いて振り返った。
「志摩くん、ちょっと寄っていい?」
指差す先はコンビニ。
「ん?あぁ、いいぜ」
はパァッと明るく微笑み、二人はコンビニの中に入っていった。
「で、何を買うんだ?」
志摩は訝しげに辺りを見回しながら言った。
クルッと振り替えり、後ろ足で歩きながらは微笑んだ。
「烏龍茶!!」
「烏龍茶ぁ?」
「だめ?」
すると、ドンッと人にぶつかる。
「おい、気をつけろよ」
グイッと腕を引き、自分の方に寄せる。
「わわっ、ごめんなさい」
志摩の方に倒れ、ぶつかった人と志摩には謝る。
「ったく・・・行くぞ」
志摩に引かれて、は奥のほうに移動する。
そこまでいくと、はパッと明るくなる。
「あった〜!!」
「うぉっ!!」
志摩を突き飛ばしてまで行く彼女は、可愛い笑顔を露にしている。
「な、なんだ?」
志摩の前に、2リットルのペットボトルが見える。
「いえ〜い、烏龍茶!!」
「・・・・・・あ、そ」
会いたかったよ〜烏龍茶〜!っと、は嬉しそうに2リットルのペットボトルを抱きしめる。
「、そんなに好きなのか?」
「そうなの!でもでも昨日で切らしちゃって・・・」
志摩はチラッと烏龍茶を見て、飲料コーナーから一本のペットボトルを取り出す。
「俺はこっちがいいけどな」
「なっ!」
コーラを手にして、に見せる。
「・・・炭酸飲めない・・・」
「じゃあ、飲んでみろよ」
ニヤニヤして志摩は言う。
新しい弱みを握ったことが嬉しいのか、コーラを嫌がるに突きつける。
「・・・天誅」
「あだっ!!!」
志摩の頭の上に、2リットルの烏龍茶がぶつかった。
「っ〜〜〜〜!!!」
「きゃ〜鬼が怒った〜」
と志摩の追いかけっこは、結構な時間続いた。
その間、店員は呆れてものが言えない状態だったらしい。