長い髪、短い髪






「なっ!?」
 今日も無断で家に入った志摩は、の容姿を見て吃驚した。
「ん?あぁ、いらっしゃい志摩くん」
 気付いたは、振り向いて微笑む。

 いつもの、茶色の髪の毛を背中まで伸ばしていたじゃなくて、
 黒色の髪を腰まで伸ばしていた。

「・・・?ど、どうしたんだそれ!?」
 志摩は唖然としてその容姿を見る。

「へ?」
 きょとんとして、志摩の方を見るはいつもと違う可愛さを秘めている。


「あら、志摩くんじゃない」
「その顔はの容姿にドキドキしてる様子ねぇ〜!?」
 リビングから、当事者でもある莉璃と飛鳥が顔を出す。
 二人とも少し吃驚していたが、ニヤッと笑った。
「なっ、はぁ!?」
 もう、志摩はワケが分からない様子だ。

「髪の毛はね、莉璃と飛鳥にしてもらったの」
「じゃあ、地毛なのか!?」
「え?そうじゃないよ」

 は頭に手を当てて髪を持つと抜いた。
 黒い髪の毛がスッと取れ、いつもの茶色の髪の毛がサァッと落ちてきた。

「ウィッグなの、ね?」

 ウィッグを志摩にかぶせながら、微笑む。


「そうだったのか・・・って、おいっ!!!」
「へ?」
 きょとんとしながらも、の手は止まらない。

「被せるな〜!!」
「いいじゃない、減るもんじゃないし。ね、二人とも」

 莉璃と飛鳥はお互いを見合わせて、笑った。


「また似合う人見つけた!」
「さ〜お化粧とウィッグを用意して!」


 その言葉に、志摩はサァ〜っと血の気が引いた。

「なっ・・・?」



 逃げようとしたが、が掴んで逃げられない。

「さ、一緒に実験台になろう?」
「う、嘘だろおい!?」
「嘘なもんですか」
 微笑んだが、目は鋭い。

「私だけだと大変なのよ」



 この日、リコが見た光景は・・・

 莉璃と飛鳥、そして短い髪のウィッグをつけたと、長い黒髪の志摩がいたとか・・・。




 後日談だが、コレは変装のためにしていたことが、志摩によって発覚した。


 変装してもぐりこむためにしていたなんて、ある意味・・・。