「香ちゃんってかっこいいよね〜」
何気ない一言。
雑誌に香ちゃんが載ってたから言ってみた。
といっても、好きなわけじゃないんだけどね。
「そうかぁ?」
「えー志摩くん、わかってないなぁ」
なんでむすっとしてるのかなぁ志摩くん。
「女の子はこういったかっこいい人が好きなのよ?」
「そうなのか!?」
「そうそう」
・・・といっても、莉璃と飛鳥談だけど。
でも香ちゃんって世の女の子たちに人気だしね。
「・・・なに?」
すっっごい凝視されてるのがわかる。
志摩くん、キミからの視線が今日は痛い・・・。
「なぁ、も・・・香ちゃんみたいなのが好きなのか?」
「はぁ?」
ふと言われた言葉に、私は思わず本音を出してしまった。
だって、そんなわけないでしょ?
私が好きなのは・・・キミなんだから。
「志摩くんはそう思うの?」
「だってお前が言ったんじゃねぇか!」
・・・私が言ったのは、女の子が好きな“タイプ”のことなんだけど。
「・・・っあははは!!」
「なっ!!なんで笑うんだよ!!!」
だって普通そんな勘違いしないってば、今時!
ムッとしたと思ったら、何を言うんだか。
「志摩くんって鈍感だよ〜っ!!」
「おい!!いつまでも笑うなっ!!!」
だけど、それが志摩くんのちょっとした嫉妬だってことはちゃんとわかった。
志摩くん、私に気があるのかな。
そう思ったけど、自意識過剰だと気付いた。
「私は香ちゃんに恋愛感情はないんだから」
「そうなのか!?」
「そうだよ!」
今・・・安堵の表情をしたことに気付いてるのかな、この人。
だけど、その嫉妬がちょっと嬉しかったりして。
私も結局は志摩くんが好きなんだなぁ。