此処は私の家。
莉璃とが来ているんだ。
因みに飛鳥は家族旅行・・・ったく、家族優先なんだから。
ってゆーか、なんでみんな私の家に集まるんだか?
・・・ま、いーか。
「はい、お茶」
「「ありがとー!!」」
美味しそうに飲んでくれるんだから、出す方も嬉しくなっちゃうってものよ。
「で、何の用?」
「用がないと来ちゃだめなの?」
「・・・ってことはさん、用はないのね」
この人達は・・・呆れて物が言えない。
そういえば、と莉璃が言う。
「ね〜さぁ、なんで進展しないの?」
呆れながら言われても・・・
「何が?」
「何がって一つしかないでしょ?」
も呆れ顔になった。
「「志摩 義経との関係!!!」」
「はっ、はぁ!?」
な・・・何言ってんだか!つか、まだ言ってたの!?
も加わってるし。なんでやねん!!
「ちょっ、なんで莉璃とに言われなくちゃいけないわけ!?」
特に!と指を指してやると相手も
「私は好きだって自覚あるし」
「私だって・・・あるのかな?」
「「ほらないじゃん!!!」」
・・・だ、だってさぁ・・・
今更「好き」とか言えないっての!!!
ゴホンと一つ咳をして、莉璃は言った。
「あのねぇ。恋愛なんて男と女が視線を合わせて『愛してる』って言えば済むの!」
「そうそう。が言わないからいつまで経っても志摩さんは鈍感なんだから」
「いいこと言うじゃない!志摩くんって鈍感だもんねぇ〜」
「言わないと絶対気付かないって!!ねぇ莉璃!」
・・・あの、私のことで“同志を見つけた”ような顔をしないでよ。
「Repeat after me!『I love you.』」
「・・・あい、らぶゆー」
「感情こもってない!!」
「そんなこと言ったって・・・」
は少し考えて、
「イタリア語ではなんていうの?」
「イタリアでは“Ti amo”かな・・・?」
はっ、教えなきゃよかった!
はにっこり微笑んで莉璃のように言った。
「Repeat after me!『Ti amo!』」
「・・・らい、あーも」
英語とイタリア語が混ざってんじゃん。
でも言ったら反論しそうだから言わないけどね。
「ねー、感情込めようよ・・・」
二人とも呆れて私の方を見る。
はぁー暇だなぁ、あとでリコの散歩に行こうかな。(考えてもない)
「あっ、じゃあさ!!!」
途端、は声を弾ませて言った。
「は志摩さんの何処が好きなの!?」
「・・・・・・・へっ!?」
途端、私の顔が真っ赤に染まった。
莉璃も「あ、それ聴きたい!」なんて言うし。
うぅ・・・恥ずかしい。
「え、えーと・・・」
そういえば、私志摩くんの何処が好きなんだろう。
『よっ!!』
いつも家に来るときの志摩くんが浮かぶ。ひゃああ恥ずかしいっ!!!!!
「い、言わない!!」
「えーなんでよ!!」
つまんなさそうにが言った。
まったく、何を言うかと思ったら・・・
真っ赤になる私を見てた莉璃は、一言。
「このシャイガール」
「なっ!?なんですってぇ!?」
「なんにせよ、早くしないと志摩くんが他の女のものになってもいいの?」
「うっ・・・」
でも、その言葉には反論できる。
「志摩くんが他の女の人を好きになるのかなぁ?」
聞いたことがないなぁそういえば。
・・・あ、今不敵に笑った。
「甘いなー!」
「へ?」
「香ちゃんから聞いたけど、香ちゃんのお姉さんに一目惚れしたんだって」
「・・・えっ!?」
嘘でしょっ!?
そんなの聴いたことがないって!!!!
吃驚して声が出ない私に、は追い討ちをかける。
「あと、確か美里さんっていう幼馴染だっけ?その人も好きだったみたいよー?」
どっちも香ちゃん情報らしい・・・じゃあ正確だ。
「ぅわ・・・どうしよう、どうしよう!!!」
なんかヤバイ気がしてきた!!
つか志摩くん惚れっぽい!?
「だから『I love you!』」
「そうそう、『Ti amo!』」
「・・・・・・やっぱ言えないっ!!!!」
莉璃とはハァ〜〜〜とため息。
だって今更言えないよ!!
なんで私は志摩くんなんか好きになったんだろう。
第一印象は確か最悪だったはず・・・なのに!!
「神様のバカ ―――――――― !!!!!!!!」
「・・・でも、今の志摩さんはが好きだと思うけど」
「ほんと。両思いなのに、なんで鈍感とシャイガールなのかなぁ・・・」
私はと莉璃の言葉を不覚にも聞き逃していた。