ふと呼ばれる、私の名前。
 ・・・ってゆーか、この人なんでいつも名前で呼ぶんだろう?





名前で呼ぶ理由は?





 雲雀 恭弥くん。
 風紀委員長で、不良の頂点に立つ人。
 この人から抜擢されて、私は(渋々)風紀副委員長になったんだっけ。

 応接室に行けば、いつも迎えてくれる雲雀くん。

「やっほー雲雀くん!」
。何?」
「何って・・・用事がないと来ちゃダメだった?」
「僕は群れるのが嫌いだ。・・・まぁは別だけど」
 おいで、と手招きされた。

 革張りのソファに座って、雲雀くんが淹れてくれたあったかい紅茶を飲む。
 うん!雲雀くんが淹れてくれるのはとても美味しい!!

 と、しばらく飲んでたんだけど・・・ふと思った。

 雲雀くんって、最初っから“”って呼んでんだもん。
 いや、それは良いんだけどね。
 だから私も呼んでみた。




「・・・恭弥」



 雲雀くんはというと、呆然と私のほうを見てる。
「・・・

 そして、ゆっくり口を開いた。
「咬み殺すよ」

 なっ、
なんですと?!

「なんで!?」
「名前で呼んだから」
「私には名前で呼んでるくせに!!」


 ハァ、とため息をついてやがる!!

。僕は気に入ったヤツしか名前で呼ばないよ」
「・・・そうなの?じゃあ私も名前で呼んでいい?」
「ダメ」
「なんで!!!」

 雲雀くんってわかんない!!
 なんて思ってたとき、雲雀くんが急に立ち上がった。

「なっ、何?」
 戦闘準備をした私から奪ったのは、マグカップ。
「紅茶淹れなおすだけだけど?」
 笑いながら向こうに行った。




 数分経って、また戻ってくる。
「はい」
「あ、ありがとー!」
 マグカップは受け取ったけど、飲まないで雲雀くんのほうを見てた。


「ねー雲雀くん、なんで名前で呼んじゃダメなの?」
 教えてくれないんだよね。
 紅茶でごまかしても、そうはいかないんだから。

 雲雀くんは私のほうを見て一言だけ言って、そして紅茶を飲み始めた。


が僕のものになったら呼ばせてあげる」




 ・・・それって、どういうこと?
 って言うか・・・私は叫んだ。


「なんで雲雀くんが決めるの!!??」




 応接室の外まで聞こえた声に、丁度通りかかった人は吃驚したことは、私たちは知らない。