あ、髪くくってくれるの?
なんか触られてるとくすぐったいなぁ〜!
plaything -玩具-
起きて、完全に覚醒するまで何もしない。
ベッドから上半身だけを起こすけど、しばらくボーっとしてることが多い。
「、おはよ」
「・・・・・・おはよ・・・ラビ・・・」
朝早くから、ラビはいつもの様子で私の部屋に尋ねてきた。
でも私はうとうとしてて、まだ頭が目を覚ましてない。
ラビは遠慮なく入ってきて、私の後ろに腰掛けた。
「目ェ覚めた?」
「・・・うん」
徐々にはっきりしてきたかな。
でも動き出さない私を見ていたラビは、ふと髪に触れた。
「の髪っていつも綺麗だよな」
「ほんと?ありがと・・・」
サラ、サラ、と手ぐしで梳いてくれてる間、私は頭を早く起こした。
そして、5分ほど経った頃。
「・・・うん、覚醒!」
ようやく頭が働き始めた。起き上がろうとしたんだけど・・・
「・・・ラビ?」
ラビが私の髪を結おうとしていたから、動くことが出来なかった。
「、くくるものは?」
「え?机の上に一式あるけど。」
ラビは身体と腕を伸ばして机の上にある小箱を取った。
小箱の中には確か、ゴムとかピンとか全部入れてるはず。
案の定、いつもの私のようにくくってくれてるみたい。
「ラビ、くくってくれるの?」
「んー?まぁ気にすんなって」
なんて言いながら、もう片方作るのか、逆の髪を持ち上げた。
くくってくれるのは嬉しいけど、起き上がれない。
後ろ手で小箱の中から鏡を取り出し、自分の方に・・・いや、後ろのラビに向けた。
「ねぇーラビ、髪より着替えたいんだけど」
「の髪が先さぁ」
ラビはそう言いながら残りの私の髪を持ち上げた。
なんか楽しそうだなぁ。
ラビって髪の毛弄るの好きなのかな。バンダナとか巻いてるし・・・関係ない?
うきうきしながら夢中で私の髪を弄ってる。
なんか微笑ましいっていうか、可愛いなぁラビ。
「ラビ、くすぐったい」
触られ慣れてないから、ラビが髪に触れるたびにくすぐったいようなもどかしい気持ちが増えた。
ラビは小さく笑いながら、
「我慢だー」なんて言ったけど・・・気持ち良いような、くすぐったいような。
でも、邪魔はしないでおこう。
そんなことを思ってたけど、ふと疑問が浮かぶ。
首元が寒い。ラビってば、どうくくってんだろう。
しばらくして、ラビの満足そうな声が響いた。
「うん、出来たさ!!」
「本当?」
纏めてくれたのかな?
前から見ても、綺麗にまとまってた。
「凄いねーラビ!器用じゃない!!」
「そう?オレだってこれくらい出来るんさ!」
自慢そうに言ってるところ、水を点すことになるんだけどね。
「・・・でも、解いてもいい?」
「はぁあっ!?何でー!!!」
そんな絶叫されても・・・
「だって服を着たら崩れちゃうよ?」
だから先に服を着させてって言ってたのに。
ラビは苦悩の表情を見せたけど、楽天家みたいですんなりと肯定した。
「しかたねぇなぁ」
スッと髪からピンが抜かれる感触があった。
何本か抜かれ、ゴムも取られると全ての髪が肩に触れたのがわかる。
「わりィ、。形付いちまった」
「別にいいよ」
なんて言いながら、再び起き上がろうとしたんだけど・・・それも叶わなかった。
「へっ!?」
浮きかけた腰を持ち、すとんと座らせたのは後ろに居たラビ。
「何?」
「ん?」
なんて表情をしてんだろう。
絶対何か企んでる。
「わ、ちょっ・・・」
後ろから手を回され、あっという間に抱き締められてしまった。
「オレ、の髪大好きー」
ラビは私の髪に顔を埋めながら、そう呟いた。
ちょっとくすぐったい。
「服、着たら髪結んでくれる?」
いつものようにね。
そう言うと、ラビは埋めたまま返事を返してくれた。
「・・・喜んで」
回された腕を持っていると、やがてラビの声が聞こえた。
「・・・やべー・・・」
「何がー?」
ポンポンッと軽く腕を叩いてみると、その手が突如動いて、クルッと身体を回された。
「へっ!?」
ドサッと仰向けに倒れ、目の前には・・・笑顔のラビ。
「ごめんさー♪」
「はぁっ!?ちょっ、やだよラビ!?」
覚醒してから、わずか30分。
再び寝かされようとは・・・誰が考える!?