「ラビ?女湯前で何やってるんです?」
アレンの言葉に、忠犬のように待っていたラビは即答した。
「待ち。」
「・・・を?何でまた?」
「オレのせいだからさ〜」
お風呂から出た私は吃驚した。
「ラビ?!なんで居るの!?」
だけどラビはしれっとして、
「、ラーメン落ちた?」
「もちろん、落としたもん」
「じゃあもう一度食いにいこーぜ!!」
グイッと引っ張るラビの腕を叩いた。
「ごめん、ラビ。そこにいるアレンと食べてくれる?」
「はっ!?」
向こうからジーッとこっちを見てるアレンとラビが目を合わせた。
あ、アレン変な笑顔向けてる。
「・・・えぇ゛〜、あんなガキよりの方がいい!」
ガキ!?と反応はしたけど、この言葉はアレンに向けて言ったのよね。
「とにかく、アレンとお願いね。コムイさんに用事があるの忘れてたの!」
ポンポンッとラビの肩を叩き、小走りで向かう。
「・・・で、お前はなんでそこにいたんさ」
「たまたまですってば」
「・・・今日はアレンの奢りだー」
「はぁっ!?何言ってるんですかラビ!?」
なんだかんだ言って、ラビとアレンって仲が良いと思うんだよね、私!
さて、私はというと科学班の研究室に向かった。
うわ〜なんか人々の屍って感じで、今度栄養ドリンクでも買ってあげようかな。
「こんにちわ、リーバーさん!」
弱々しくリーバーさんはこっちを向いた。
「おー・・・・・・」
「な、なんか大変そうですね・・・」
リーバーさんは異様にほっそりしていて、大変さを物語ってる。
彼は忌々しく呟いた。
「それもこれもあの室長のせいだ・・・」
「コムイさん?」
・・・あれ?
そういえば、居ないなぁコムイさん。
「なんか用事があるとか言って抜けやがって・・・マジで転職考えてぇ・・・」
「転職って・・・」
そんな事言いながらも、リーバーさんしないくせに。
なんて思って、私は微笑んだ。
「頑張ってください!」
リーバーさんから訊いて、私は今度は司令室に向かった。
大抵コムイさんはそこに居るみたいで、今も居るだろうって言ってた。
「コムイさー・・・ん?」
そこにいたのはコムイさんじゃなくて、
「あれ?どうしたの??」
きょとんとした妹のリナリーちゃんだった。
「リナリーちゃん、コムイさん知らない?」
「兄さん?・・・あ、そっか」
納得してくれたみたい。
そうなのよリナリーちゃん、今日は月に1回の日なの。
「だったら、もう療養所に居るんじゃない?」
「そうかな?じゃあ行ってみる!!」
床中にばら撒かれてる資料の山を踏まないように、私は今度は療養所に向かった。
さすがリナリーちゃん、妹の勘は当たってた!
「コムイさん、いたー!」
療養所の奥。一番広くていろんな機械がある部屋に、コムイさんはいた。
なにやら準備中だったみたいで、「もう来たの?ちゃん」って驚いてた。
「これからリナリーに呼びに行ってもらおうと思ったんだけどね」
なんて微笑んで、手を出した。
「さぁ、座って」
「なぁアレン」
食事をしていたアレンは振り返った。
ラビも食事をしながら続けた。
「なんでコムイのとこに行ったんだろ?」
「誰が?」
「さ」
ズルズルとラーメンを啜りながらまた続けた。
「慌ててなかったか?」
「あぁ、それは・・・」
アレンは大皿をぺろりと食べ、一息ついたついでに言った。
しかし、少し言いにくそう。
「
「はぁ?催眠封印術?」
アレンは目を伏せ、そしてもう一度食べ始めた。
「僕はまだ来てなかったんですが、リナリーから聞いたんです」
コムイさんと、私。
対となった椅子に私たちは座っていた。
「ちゃん、昔のことは思い出したかい?」
目を瞑った私は、素直に答える。
「いえ、全然」
ホッとしたコムイさんの表情を見ることは愚か、怪訝にも思わなかった。
「・・・ただ、」
私の声だ。
「微かにだけど、何かあったような気がするんです」
「・・・と、いうと?」
素直に、言葉を並べてみた。
「私、昔何かあったんですか?」