「・・・ふー、大変だった・・・」
ぶら下がった私が呟く。
下では手を繋いだままのリタが叫んでた。
「離してくれって!!」
「あぁ、忘れてた」
パッと離す。
・・・ドスンッと低い音が響いた。
「・・・何すんさー・・・」
下でそんな声がする。
私は3階の窓にカテーナ型のアストロを投げ入れ、引っ掛けてルナを掴んでる。
で、ラビは私の下にいたみたいで、リタの下敷きになってる。
カテーナをブレスレットに戻し、私も降りた。
「ラビさぁ、何でそんなとこに居るわけ?」
リタの下敷きになるってわかってんでしょ?
はぁ〜、とため息を吐きたくなった。
・・・ふと、ファインダーさんたちの死骸が見えた。
「・・・ちょっ、ラビ!これ・・・」
「何?」
私の後を付いてきたラビは、死骸を覗き込む。
そこに積まれていたのは、グニャリと銃になってた後のアクマ。
普通の死体も胸のところは独特の金属が見えていた。
「・・・アクマだ」
「やっぱり?」
ということは、あの鳥はアクマだと見抜いて狙ってたんだ。
「ぅわぁ!」
後ろからリタの叫び声が聞こえた。
振り返った私は唖然とした。
「ちょ・・・なんであんな増えてんの!?」
さっきの一体が球体になっていた。
そして周りには何体か球体のアクマが居る。
下にはかなりの数の人間・・・の皮を被るアクマが。
「聞きつけてやって来たんさ」
「・・・はぁ〜、やるか!」
私はブンッと大鎌を振った。
第2ラウンド、スタート?
私はまず、リタの近くにいた悪魔に向けて鎌を投げた。
ブォンッと大きな音を轟かせたルナは見事にアクマに突き刺さった。
素早くその鎌を取りに行き、ついでにリタに一言。
「リタ、手伝って!」
「えぇ?」
「その鳥もこれと同じイノセンスよ!」
鎌をかざす。
「あなたの心次第で動き出す!!」
向こうではラビが巨大な槌を作って下の人間のようなアクマを一掃させた。
私も動き出す。
ダッと走り出し、鎌を1振り、2振り。
計5体の球体を潰し、そのまま鎌を投げて立て続けに3体潰す。
この調子でもっと暴れようと思った・・・のに。
「あれ!?もう居ない!!」
私の視界には、アクマが居なかった。
近くをヒュンッと鳥が舞う。
「・・・リタ」
あとの球体は全てリタの鳥がやっつけてくれたみたい。
リタは自慢げな笑みを浮かべていた。
やっぱ10歳ほど、子供みたいで可愛いとさえ思えてしまう。
こうして、アクマは数分で全滅してしまった。
「あーあ、暴れたりない・・・」
「オレもさー」
なんて冗談を言い合ってみたり。
確かにリタのおかげであっけなかったもんね。
「なぁ、見た!?」
リタはと言うと・・・なんか嬉しそうに言ってきた。
「うん、見てた!」
助かったよって言うと、嬉しそうに微笑んでくれた。
「で、アンタはどーするんさ?」
隣では、少し不機嫌そうなラビが。なんで不機嫌なんだか?
リタは、ラビに向かって挑戦的な表情をした。
「しかたねーから、と同じエクソシストになってやる!」
なんで私の名前が出るんだか。
リタの熱烈な視線にも気付かなかった私は、同士になってくれたことを素直に喜んだ。
「・・・よーし!じゃあ本部に帰ろう!」
コムイさんに報告したいしね♪
微笑むと、リタは頬を赤らめる。
んー?ヘンなの。
こうして、エクソシストの仲間に新たな仲間が加わった。
私は帰りの汽車で必ず考える、「帰ったらまず何するか?」を今から考えてたりして。