え゛っ!!
リナリーちゃんもアレンもリーバーさんさえも見たことがあるの!?
私、まだ見たことない!!
だから、絶対見てやる、ラビがバンダナ着けてないところ!!
ミッション1 早朝。
ラビよりも早く起き、そっと部屋の中に忍び込む。
ふふふっ・・・頑張れ私っ!!
「・・・う゛〜・・・」
午前5時、けたたましい目覚まし時計の音で目を覚ました。
実は、昨日任務で深夜に帰ってきた私。
めちゃくちゃ眠い!!・・・いや、でも髪を降ろしたラビが見たい!
すぐにも閉じそうな瞼を必死に開けながら、ターゲットの部屋へ向かった。
カチャ・・・と小さい音を立ててラビの部屋のドアを開ける。
そ〜っと開けても、ラビが起きるような気配は・・・ない。
「よーし、そ〜っと・・・」
音を立てずに近づき、ガバッと毛布を剥ぐ・・・つもりが、
「え?ひゃっ!!」
手を掴まれ、毛布の中に入れられてしまった。
「なに?♪」
「え゛・・・ラビ・・・」
既にバンダナは着用されてて、団服まで・・・着てる。
「なっ、何で起きてんのー!?」
「が寝すぎなのさぁ」
いやいやそんなことないでしょ!!今5時だよ!?
「で、こそ何でこんな時間に来るんさ?」
「う゛っ・・・」
い、言えない・・・言えない!!
「と、とりあえず出して!!」
腕をがっしり掴まれて出れない!!ラビは意地悪そうに笑って、
「もしかして、夜這い?」
「違います!!!!」
どうにかもがいて、(途中ルナ発動)出ることは出来たんだけど・・・
ミッション1 失敗・・・。
だけど、今度は絶対失敗しないわ!!
ミッション2 昼食の時。
ジェリーさんが作ってくれたご飯を粗末にしてしまうのが嫌だけど、仕方ない。
ラビが髪を下ろしたところが見たいんだもん!!
ご飯を運んでた私は、ラビの近くになって足を滑らせた。
そしてお盆が手から離れていった。
「あっ!!」
わざとだけど驚いた表情を浮かべる。
思いっきり投げたお盆は、狙い通りラビの頭上に・・・ではなく、その向こうに行ってしまった。
「・・・あ゛」
ばしゃっとかかったのは・・・なんと、神田の頭の上。
「チビ・・・てめぇ・・・」
きゃああぁぁ怖いっ!!ギラッて!!ギラッて睨んだぁっ!!!!
ミッション2 失敗・・・。
しかも神田にかけちゃって、ターゲットであるラビの後ろに隠れる始末・・・
でっ、でもまだ考えてるもんね!!
気を取り直して次のミッションに行くぞー!!
ミッション3 修練中。
ラビに付き合って修練することになったんだけど、逆にチャンスよね。
疲れて暑くなったらバンダナ外すかな?と思ってたんだけど・・・さぁ・・・
その考えは甘かったことが、後に身をもって解ってしまった。
「行くよ、ラビ!!」
ファルチェモードのルナをクルクルッと回し、叫んだ。
「いいぜ、!来いよ!」
一方ラビも槌を振った。
最初は余裕もあって、もっと攻めてやるって思ってたんだけど。
徐々に疲れ始めたのは、私のほうだった。
「・・・うぇ・・・」
は、吐きそう・・・動き回りすぎた。
めちゃくちゃ暑いのは、ラビではなく私。
「あっつ〜〜〜・・・」
「ダイジョブ?」
そう言いながらも、ラビはケケケって笑ってる。
ミッション3 失敗・・・。
ぅわ、ヤバイ!!もう夜じゃん!!何やってたんだろう、私ってば。
・・・こうなったら。
多少の代償も付き物よね・・・仕方ない。
ミッション4!!ファイナルよ!!
ラビの部屋に行った私は、決心して口に出した。
「・・・ねぇ、ラビ・・・今日、一緒に寝ても良い?」
「はぁ?どーした?急に」
ラビはというと、きょとんとして私の方を見てる。
私はわざと上目遣いで言ってやった。
「あのねぇ、ラビと寝たいの」
ふっふっふ・・・これでバッチリ!
なんだかんだ行って、ラビは私に甘いんだもん。
案の定、にっこり笑って肯定の答えを返してきた。
「いいけどさー、何があっても知らないぜ?」
「ヘンなことをするのは止めてね」
その代償なんだけど、ラビだからセクハラしてきそうなんだよね。
でも仕方ない!!多少は我慢してやるか!!(度が過ぎるとダメだけど)
「、オレ風呂入ってくるさ。は?」
「私は後で入ってくるー」
ふーんと言って先に部屋を出たのはラビ。
私?もちろんお風呂に入りに行きたいけど、ラビが帰ってきたらもうバンダナ着けてないと思うんだ。
だから、私はラビの部屋で・・・待ってたんだけど・・・
「・・・ヤバイ・・・眠い・・・」
なんせ超早起きの上、修練のときの疲れを引き摺ってる私は、一人で静寂の中に居ると・・・無性に眠くなる。
「・・・人のベッドで寝ちゃってるよ、・・・」
お風呂上りのラビが見たのは、気持ちよさそうに寝入っている私の姿だった。
ターゲットは私が睨んだとおり、髪を下ろしてたわけなんだけど・・・寝ちゃったよオイ!!
結局、ミッションファイナルも自業自得な雰囲気のまま失敗に陥ってしまった。
でもね。翌日、起きたときに見れることが出来たんだ♪
あ、その時に聞いたんだけどね、ラビったら言ったら気軽に外してくれたみたい。
私のこの一日って一体・・・涙が流れたのは、私だけの秘密だったりして。