・・・・・・面白くない。
 私だってエクソシスト以前に女の子なんだから。
 おしゃれだってするもん!





Pleasure -喜び-






 朝から、私はリナリーちゃんの部屋にいた。
 何でかって?
 今日は久々にリナリーちゃんにくくってもらおうと思ってね♪

「はい、出来たよ♪」
 リナリーちゃんは満足そうに微笑んだ。
「ホント?」
「うん。可愛いっ!!」
 鏡を見てみると、思わず私も吃驚してしまった。

 いつもの髪形じゃなくて、とても凝った髪型にしてくれてる。
 綺麗で、でも女の子っぽさも残してる・・・すごい、リナリーちゃん!!

「有難う!!」
の髪ってとても綺麗だもの。私も嬉しくなるわ♪」
 ラビに褒められると良いね、って言われて、私は一気に赤面してしまった。
「え、なんでラビ!?」
「あら。ラビのことが好きなんでしょ?」
 にっこりと微笑むリナリーちゃんは、なんでもお見通しみたい。
 真っ赤になったけど、照れて笑ってしまった。
「・・・有難う、リナリーちゃん!!」


 今日は任務もないし、たまにはおしゃれも良いでしょ?
 というか、ラビに見て欲しかっただけなんだけどね・・・
 珍しく今日は団服を着用しないことにした。



 ふと、アレンに会った。
「あれ、!?」
 会ったばかりだったアレンは驚いてたけど、
「リナリーちゃんがやってくれたの!どう?」って言うと、満面の笑みで言ってくれたんだ。
「可愛いですよ、とっても!」
「ホント!?有難う!!」

 アレンの言葉だけでこんなに喜んじゃうんだもん。
 ラビの言葉を聞いたら本当に嬉しくなっちゃうかも!!




 ・・・だけど・・・

「あれー!?ラビが居ない・・・」
 いつも絶対3回は会うのに、今日に限って会わないなんて・・・
 もしかして任務に行ってるのかな!?
 でもリナリーちゃんは何も言ってなかったし、それはないよね・・・

「・・・面白くない」
 談話室でムスッとしてると、周りの視線に気付く。
 どうやらみんなが見てくれてるんだけど・・・私はラビに一番見て欲しいのに。


 ・・・泣きたくなってくる。
 こんなに好きになってたんだぁ・・・知らなかったや。

 俯いて、ため息をついたその時。



「あれ??」
 ふと、のんびりした声が聴こえる。
 誰かは即座にわかった。一番見て欲しい人だ。
「えっ?」
 バッと顔を上げると、そこにいたのは驚いた表情のラビが立っていた。

「ぅわぁ、どーしたんだ?」
 驚いた表情は笑顔に変わった。
「・・・リナリーにしてもらったの。」
「マジ?!めちゃくちゃ可愛いじゃん!!」

 その言葉一つで、私はパァッと明るい笑みを浮かべてしまった。

「本当!?」
 ラビは頷いて、満面の笑みを見せてくれた。
は何やっても可愛いさ!」

 ダメかな、私。
 この言葉一つ、それだけで今までの寂しさが吹っ飛んでしまった。


「・・・・・・?」
 どした?って私の顔を覗き込むラビは、何も解ってないみたい。

 ふるふるっと首を横に振り、満面の笑みを返してあげた。


「やっぱラビ大好き――――っ!!!」


 思いっきり抱きつくと、ラビは驚きながらも嬉しそうに微笑んでくれた。