此処は、修練場。
 私の前には余裕そうな表情の、無防備なラビの姿が。
 因みに私は鎖鎌を持っている。
 目覚まし時計をセットし、私たちは位置についた。





Offense -攻撃-






 これから、楽しい楽しいゲームが始まる。
 言い出したのはラビ。修練も出来るかなぁと思って、私は了承した。
 ルールは簡単。
 10分以内にラビに槌を発動させれば、私の勝ち。
 ルナ・アストロで攻撃しまくれば良いわけよね!!
 私を侮ってるのか、ラビは凄く余裕な表情をしている。

 ふっ、甘いわよ。
 実はまだラビに見せてないタイプがあるんだから!!

 11時50分、ジリリリッと目覚まし時計がなった。
 それから12時を伝える鐘が鳴るまで、10分。
 私はダッとラビに向かって行った。


「覚悟っ!!」
 ブンッとルナを振り、それをラビは避ける。
 それを狙ってアストロを投げ、ラビの足を取ろうとするが、やっぱりジャンプで避けられる。
「まだまだだねー♪」
「その余裕ぶってんのがムカつくのよっ!!」

 アストロを持った途端、ルナをラビに向かって投げる。
 ラビはスッと横に避ける。
「計算済みよっ!」
 クイッとアストロを軽く引いた。
 避けたラビの方に流線型を描いて曲がった。
「ぅおっ!!」
 ラビは後ろに飛んで、片手を着き、体勢を直した。
「さすがだなっ♪」
「あ〜〜もう!!」


 でも、私はファルチェモードにするつもりはない。
 大鎌はアクマがいっぱいいるときとかに最適だから、ラビ一人用には向かない。


 こうなったら、“ブランド”モードを出すか。
 ラビはこの型を見たことがないから、いける!!
 私はラビの近くに寄って、大声で唱えた。

「ブランド!!」
「へっ!?」
 ちょっとラビが怯んだ。



 ルナ・アストロが光を帯び、そのまま形を変えた。
 刃は大鎌ほどの長さで、柄だけが短い。
 両手に持つと、トンファーのようなものに変わっていた。

 それをみたラビは思いっきり吃驚していた。
 ブンッと振るとどうにか避けたけど、距離をとって指をさした。

「ちょっ、それ何さ!?」
「ブランドモードよ」
「マジ!?大鎌と鎖鎌だけじゃなかったんか!?」
「滅多に出さない最後の手段よ!!」

 時計をチラッと見る。後5分!!
 貰ったわ!私は勝利の笑みをした。






「・・・だぁ〜〜〜〜に負けちまった!!!」
「ふっふっふ♪」

 鐘が鳴ったあと、私のブランドモードのルナはググッとラビの槌を押していた。

 トンファーのモードは初めてだったラビは、どう使われるのかわかってなかったみたい。
 だからこのモードにした時点で私の勝ちだったわけよ。

「じゃあラビ!約束通り
“マッチャ”を飲んでね♪」
「くそー!!まさかがそんな切り札を持っていたなんて思ってもなかったさ!!」
「まぁね〜♪」

 だってブランドモードは滅多に使わないもん。
 こうやって怯ませるためにねー!一番使いやすいんだけどさ。


 さて、ラビは“マッチャ”を飲んでどんなリアクションをとるのかな!?

 私は勝った喜びと、その後のリアクションがとても楽しみだったりして。