私は、そんな事しない。
ってゆーか・・・されたくもないんだけど?
「っ♪」
ふと呼ばれ、振り向いてしまった。
「何ー?・・・やっぱいいです」
「ちょっとなんで嫌そうな顔をするんさ?」
不服そうな顔をされても、それは変わらないわよ。
だって、ラビ。
あんたの右手、何持ってんのよ・・・
「コムイから貰ってきた!」
「・・・で?」
「をご指名さ!」
「・・・は?」
右手には綺麗なコップに入ってる透明の液体。
お水っぽいけど、絶対引っかかるもんか!
今まで、私が単純だったのか数々のモノに引っかかってしまった。
大抵苦いものだけど、本当の実験薬もあったりしてもう本当に大変な目に遭う。
この悪戯好きの笑顔を見るだけで思い出してしまう!
「はい、♪」
「・・・はい・・・」
受け取ると、なんか奇妙な液体なのがわかる。
うぅ〜・・・飲まないといけないのだろうか・・・
普通は飲まなくても良いことくらいわかるんだけど、妙なところが単純な私は次の言葉で飲んでしまう。
「、リナリーも飲んでたから大丈夫だって!」
なっ?と言われる・・・リナリーちゃんも飲んだんだ。
「じゃー飲む」
後に思いっきり嘘だって思うのに、どうしてもその時は信じてしまう。
私はグイッと妙な液体を飲み干した。
「どう?」
楽しそうなラビの笑顔を見てみる。
「・・・甘い。」
「え、甘ぇの!?」
「うん」
あれー?今回のは甘かったなぁ??
コムイさんの実験薬じゃないのかなぁ?なんて思っていたとき・・・徐々に異変に気付いた。
「・・・あ」
「あ?」
お、なんか変化があったか?なんて期待の眼差しでラビは見ていたけど・・・
私はそれすら解らなかった。
「・・・え」
「どうした?」
うそ。
まさかコムイさん、こんな実験薬にするとは思わなかった。
「目・・・」
「?」
「目が・・・見えない」
「はぁぁっ!?」
ラビの大声が聞こえる。
大声からして、驚いてるみたい。
「ちょっ、マジ!?」
「マジよ!!」
全体的にモザイクがかかってるようにぼやけてる。
これ・・・今日一日続くのかと思うと困ったことになった。
「コムイのヤツ・・・オレは“媚薬”だって聞いたのに・・・・」
「へっ?媚薬だって!?」
「ぅおあっ!!」
何ですって!?飲んじゃったよ!!!
・・・でも、薬が違ったみたい。良かった〜・・・
「それにしてもラビ、あんたやっぱ最低ね!」
「・・・、オレこっちなんだけど・・・」
へっ!?何処よ!!
キョロキョロしてると、グイッと回された。
「おーい、マジで見えないのかー?」
「・・・見えないけど、媚薬よりはマシね」
「ごめんさー」
反省してるようには思えないけど・・・まぁいーや。
「こうなったら、償ってもらうわよ!!」
ラビの表情は見えないけど、
「解ってるよ・・・」
というこの言葉から、ちょっと反省してるってコトはわかった。
と言うことで今日一日は色々ラビのエスコートの元、頑張って生き抜いたわけだけど。
ラビの悪戯は今も止むことはない。
私も未だに引っかかってしまったりして。