私の部屋は、もはやラビの部屋とも言えるかも。
 いつもいるんだよね、別にいいけど。
 私はごろごろ、ラビはベッドに座って本を読んでる。
 そんなある日のお話。





Lie -ごろごろ-






「はぁ〜・・・たまにはこんな日もいいねぇ・・・」
 ベッドに転がってる私は思わず枕に顔を埋めてしまう。
 だって最近任務続きで大変だったんだもん。久々だよーのんびり。
「ラビ、何読んでんの?」
「んー?」
「ねぇー何読んでんのー?」
「んー?」
 読みふけってるのか、ラビは空返事を返すだけ。


 ムカ。
 私の額にムカつきマークが増えた。


「ラビー!!」
「んー?おわっ!!」
 後ろから抱きつき、そのままベッドに倒してやった。

・・・何すんさー・・・」
「へへーん、空返事を決め込むから悪いんだよー」

 持ってる本を奪って、先にある机の上に向かって投げる。
 ドサッと音を立てて本は落ちた。


「暇なの!ラビ遊ぼうよー!!」
 “暇”を連呼しながら、吃驚してるラビの胸を叩いてやった。
 こんなところをガキだと思ったみたいだけど、私は知らない。



「じゃー何して遊ぶんさ?」
 ・・・う。
 それを言われたら困るなぁ。
 キョロキョロとしてた私は、机の上に目をやった。

「・・・勉強?」
「は?ってバカ?」
「うるさい!!」
 
 だって、何して遊ぶか訊かれたら困るんだもん!!
 何も考えてなかった・・・でも、暇なの!!



「・・・、こっちおいで」
 ふと、手招きされた。
 なんだろう?と思いつつも。
「なにー?遊び見つかった!?」
 って抱きつく私もなんて忠実。

 飼い主と犬の関係に等しいかもしれない・・・と、後から考えてそう思ってしまった。


「遊ぶ?良い遊び知ってんだけど」
「なに?」
「こーいうコト」
 ぅわ、乗ってこないでよ。

 ・・・ん?
 私の第六感が“ヤバイ”と告げている。

「な・・・なにすんの?」
「何って・・・大人の遊び?」
「いやぁ〜〜〜〜!!!最低ラビ!!」
 “最低”という言葉がラビの頭にぶつかったけど、気にしてないみたい。

 咄嗟に私はラビの腿から槌を引き抜き、それに気をとられた隙にベッドから抜け出した。



「アレン〜〜〜〜〜!!!ラビがエロい〜〜〜〜〜〜!!!!」
「なっ!!ちょっ、!?」

 わざと部屋を出て、大声でアレンの元に行くまで私は叫んでやった。
 槌を伸ばして捕まえようにも、その槌は私の手の中だもんね!!


 ラビにしては幸いにも、誰にも聴かれなかったみたい。
 でもアレンにはばっちり聴かれていて、

「ふーん・・・ラビってそんなキャラだったんですね」

 なんて冷たい目で見られたのは、此処だけの話。