だぁ〜〜〜〜〜〜・・・っと氷水を浴びせてやった。
「つめたぁっ!!!!」
ハートマークは何処へやら。
ラビは異変に気付いたようで、青い顔をしてるアレンの隣で騒いだ。
「なっ、何すんさぁ!!」
あまりに冷たかったのか、ブルブル震えながらラビは言った。
「きゃははっ!!あー面白かったー!!」
コップをアレンに持たせ、私はそのまま自室に戻った。
本当は笑えないよ。
ラビってば美人に目がないもんね。
全く、面白くない。
自室に戻り、そのままベッドに倒れこんだ。
「?」
コンコンッと音がする。
「・・・ぁい?」
うとうとしてた・・・頑張って答えると、ガチャッとドアが開いた。
・・・ラビだ。
「・・・謝んないもん」
「別に良いけどさぁ」
ラビは私の隣に座った。
「何であんなことしたんさ?」
「へ?」
・・・なんて答えたら良いのやら。
少し考えた結果、私は微笑んでやった。
「理想と現実は違うんだってことを教えてあげたくなったの」
「はぁ?」
ワケが解ってないみたい。
「だから、目をハートにしても、現実はどうもならないのよ」
「・・・・・・、それ天然?」
「は?」
何言ってんのこの人?
頭の上に“?”を浮かべた私を、少し経ってラビが笑い出した。
「ちょっ、何で笑うの!?」
「だってさぁ!それ嫉妬っつぅんだよ!?」
「はぁっ!?」
ちょっ、ラビ!?
呼び止めてもラビは「そーかそーかっ♪」なんて言いながら私の部屋を出て行った。
・・・嫉妬!?そうなの!?
氷水を浴びた方が良いのは私のほうかもしれない。
だけど、それ以来ラビが目をハートに変えて帰ることはなくなった。
終わりさえ良ければ良いのよ。
私はただ喜んでいたりして。