僕は、に片思いしています。

 だけど彼女の一番はラビなんだ・・・悔しいけどね。





Crush -片想い-






「アレン〜〜〜どうしよう!!」
 食堂で、はいつものように僕に相談する。
「どうしたんですか?」
 内容はわかってる、ラビのことでしょう?


「ラビってセクシーな人が好みなんだって・・・どうしよう!」
「どうしようって・・・」
 なんだかんだ言って、ラビものことが好きなんだから。


は自分に自身を持つことが一番ですよ」
「そうかなぁ・・・ありがとう、アレン!私頑張ってくる!!」

 笑顔がとても可愛いは、微笑んで席を立った。

 僕は、笑ってるが一番好きなんだ。



 が行った後で、隣で食べてるリナリーが呟いた。
「アレンくんいいの?」
「なにがです?」
「・・・のこと、好きなんでしょ?」

 ブハァッ!!
 思いっきりスープを噴出してしまった。

「なっ!ななななんで!?」
「みえみえよ?アレンくんってがタイプなのね」
「いや、違いますよ!?」
「嘘ついちゃって」

 微笑むリナリーを見て、思わず冷や汗が出る。

「・・・い、いいんですよ!!」

 僕はが幸せならそれでいいんだから!!



 部屋に帰っても、思い出すのはの笑顔ばかり。
 さっき、“が幸せならそれでいい”って言ったのに。未練ありまくりじゃないか。
「ティム・キャンピー。お前はどう思う?」
 ぱタぱタと飛んでいるティムは何も言うわけがない。

 はぁ〜、参ってるなぁ。


 コンコン、とノックする音が聞こえた。

「はい」
「・・・いい?アレン・・・」
 この声は・・・!?
 僕はベッドから飛び起きた。
「は、はい!」
 
 ガチャッとドアが開いた。
 
 中に入ってきたのは・・・、泣いている?

「ちょっ、!?どうしたんです!?」
 流石に僕も吃驚した。
 あのが泣いてるなんて、初めて見たからね。
 
「アレン、ありがとう・・・!!」
「へ?」
「私ね、両思いだったんだ!!」
 泣きながらも嬉しそうに話してくれるは、どこか幸せそう。


 ラビものことが好きだってことは知ってた。
 そっか、気付いたんだ・・・


 “僕も、が好きなんです”
 そんな言葉、言えるわけがなかった。


 微笑んで、うれし泣きをしてる彼女の頭を撫でてやる。

「・・・良かったですね」





 僕は、のことが好きだった。

 だけど、が幸せならラビのものになっても祝福が出来た。

 リナリーからまた何か言われるかな。




「ティム・キャンピー、何も記録するなよ」
 に聞かれないように、僕は飛んでいるティムにそう呟いた。