私、・は誓います!!
もう絶対迷子になりません!!!
「・・・あれ?此処、何処だっけ」
本部の中に、幾度となくあるうちのひとつ。
薄暗い、廊下にて。
私はキョロキョロと見回してみる・・・けど、もちろん解るわけがない。
「・・・やってしまった・・・」
後ろを振り返ると、今まで行動を共にしてたラビが居ない。
また、また私は好奇心に負けてしまったのね・・・。
繰り返す失敗に、またもがっくりと肩を落としてしまった。
私は好奇心の塊。
だから気になればすぐ確かめに行っちゃうわけで・・・誰かといてもそれは変わらない。
いつかはわからないけど、ラビと行動してたとき。
「、オレアレンに用があるんさぁ。ここで待っててくんねェ?」
「うんいーよ!わかったぁ!」
なんていい返事を返しておきながら・・・ついつい歩き出すのが私の悪い癖。
そして、こんなわけわかんないところで途方に暮れるのも、私の悪い癖。
「・・・ラビ、怒ってるかなぁ」
ラビは怒らないと思いつつも、呆れてはいるだろうと思って肩をすくめる。
好奇心旺盛すぎに加えて、私は方向音痴。
カテーナを目的の場所に投げる時はとても正確なのに、なぜか歩くと道を間違う。
こういう時は歩かない方がいいのかなぁ?
でも・・・何処?ここ。
「コムイさんの実験室フロアだったら・・・どうしよう・・・」
・・・怖いっ!怖すぎる!!!
自分で想像して泣きそうになった・・・!!
何も言わないと、シンとして何の音も聞こえない・・・。
「ぅわぁんごめんなさいっ!!ラビ迎えに来て〜〜〜〜!!!」
思わず大声を出してしまった。
だって、これだけ無音なのってやっぱりコムイさんの実験室だと思ったほうが妥当だし。
大声を出した後、余韻が残ってる。
響いてる音だけだから、余計私を震え上がらせる。
怖いもの嫌いなんだってばぁぁっ!!!!
薄暗い廊下の真ん中で、なぜか私は座り込んでいる。
この癖にはホトホト困った。もう絶対歩き回らない!!
そう信念を硬くしたけど、後の祭り。ラビ〜〜〜助けてぇっ!!!!(涙)
すると、遠くから何か音が聞こえてきた。
ギューンって、何か伸びる音・・・?
何かがこっちに来る。
「ぅひゃあっ!!!」
ビュンッと横を通り過ぎたとき、思わず声を出してしまった。
「・・・あれ?」
この棒なんだろう?
隣にいつの間にか伸びてる棒を見て、ちょんっと触ってみる。
ガシャガシャーン!!!!と後ろで大きな衝突音が聞こえた。
「・・・ちゃんさぁ、なんでこんなところにいるんさ?」
「・・・・・・・・・・・・ラビ?」
後ろから歩いてきたのはラビだった。
あぁ、槌を伸ばしてきたのかな。
案の定小さくなってる槌を持ってる。
「ラビだぁっ!!!」
怖かった後のことだから、感動のあまり抱きついてしまった。
「ラビ〜〜〜ごめんね!!怖かった〜!!!」
「全く、心配したんだけどー?」
「ごめんなさい〜!!」
このときほどラビに感謝したことはないわ。
私は固く決意した。
「もう決めた!!私フラフラ歩き回る癖をやめる!!」
「・・・無理だと思うけどさぁ?」
「とにかく信念を貫く!!!」
因みに、やっぱりコムイさんの実験室だったみたい。
ラビが来てくれてよかったぁ♪
「信念を貫く」と言ったんだけど、数日後もまたフラフラ歩いてラビを困らせたのは言うまでもない。